コンテナハウスコラム

四半世紀以上にわたり現場に立ち
研究し続けてきた私たちだから語れる
リアルな“コンテナハウスの深堀り話”です。

更新日:2025.08.02

コンテナガレージハウス

コンテナで作る「リビングガレージ」という建築的革命

ガレージは“収容”ではなく“共棲”へと向かっている

ガレージといえば「愛車を守る場所」というイメージが強い。
しかしこの“守る”という発想こそが、実は20世紀的だったのかもしれません。
リビングガレージとは、“愛車と暮らす”という発想への転換。
つまり、クルマを家族のように、あるいはアートのように、日常生活の視界に置いておきたい。
それを実現するのが、この新しいガレージのカタチなのです。
❝車は動く彫刻である❞ ——それが、リビングの中に鎮座することで、空間はまるで現代美術館のような趣を持ち始めます。

クルマの隣でコーヒーを淹れる朝なんていいじゃん 

朝、リビングのコーナーにあるエスプレッソマシンから香りが立ち上る。
その横には、静かに眠るフェラーリやジムニーやハーレー。
この距離感、この共存感が、“リビングガレージ”の本質です。
床材はモルタルでありながら、床暖房が仕込まれていて、車の下にもぬくもりがある。
壁はコンテナ鉄板、でも室内は高気密高断熱。
クルマも人も、ぬくもりの中で共に息をしている。

なぜ「コンテナ」が最適なのか?それはもうわかるだろうけど

建築用新造コンテナでリビングガレージを構成することには、明確な意味があります。
構造的に強い:コンテナは車の重量に耐える床構造を最初から備えている
ゾーニングしやすい:モジュール単位で「クルマの部屋」と「人の部屋」を緩やかに分けられる
非住宅的外観とのギャップ萌え:外観は無骨、でも中はラグジュアリー。そこにエモさがある。
しかも、ユニット単位で増減が容易なので、将来的に「もう1台増やしたい」という要望にも柔軟に対応可能。
これは、RC(鉄筋コンクリート)や木造では難しい“拡張性”です。

「趣味」と「生活」の境界をなくす、いや、まだ境界あったの?

リビングガレージは、ただの車好きの夢ではありません。
それは、「好きなものと生きる」という現代人の思想そのもの。
・バイクとワインセラーが共存する空間
・ヴィンテージカーのそばで子どもがLEGOを広げて遊ぶ午後
・カーシートをリユースしたソファが置かれるリビング
もはやこれは「機能」ではなく、「美学」なのです。
リビングガレージは、“住む”という行為をエモーショナルな体験へと昇華させます。

5. コンテナ×リビングガレージの未来

未来の住まいは、よりパーソナルで、より情熱的になります。
モジュールで構成されるコンテナ建築は、
そうした“感情を建築化する”ための、最も直感的な素材。
クルマと暮らす、というスタイルは、
クルマに乗る以上に、クルマを「愛している」証明になる。
リビングガレージとは、その愛を、空間というカタチにするプロジェクトです。


パソコンもMACを使えば「マシン」以上のものになる。あなたの車も一緒に暮らせば「人生の友」になる。


記事の監修者

大屋和彦

大屋和彦

九州大学 芸術工学部卒 芸術工学士
早稲田大学芸術学校 建築都市設計科中退。
建築コンサルタント、アートディレクター、アーティスト、デザイナー。

1995年よりコンテナハウスの研究を開始。以後30年間にわたり、住宅、商業施設、ホテル、福祉施設など300件以上のプロジェクトに携わる。特にホテルをはじめとする宿泊施設型コンテナハウスの設計・施工に圧倒的な実績を誇る。商業施設、住宅分野にも多数の実績があり、コンテナハウス建築業界で幅広く活躍している。