コンテナハウスコラム
四半世紀以上にわたり現場に立ち
研究し続けてきた私たちだから語れる
リアルな“コンテナハウスの深堀り話”です。
更新日:2025.12.25
01_はじめてのコンテナ
02_コンテナハウスと法規制
コンテナ建築専門会社
コンテナハウスを中古で探す人へ。中古の良さは認めつつ、住まいなら新造の建築用コンテナに行き着く話
もくじ
「コンテナハウスの中古」は何を望まれているのか
このキーワードでコンテナハウスの事を探している人は、だいたい同じ景色を見ています。
・できるだけ初期費用を抑えたい
・中古コンテナの価格が魅力に見える
・20ftや40ftの中古ISOコンテナを買って改造すれば、早く安く家ができそう
・中古コンテナハウスの事例もネットにあるし、いける気がする
この感覚、すごく分かります。建物づくりって、最初の一歩が重いですから。ただ、当社は結論として「中古は使わず、新造の建築用コンテナしか使いません」。それは中古がダメだからというより、住まいとして長く使うときに、見えないリスクと総額のブレが大きすぎるからです。あとは日本の建築基準法に準拠させるにはかなりの改造を必要とするからです。
この記事では、中古コンテナハウスの魅力を否定せずに、でも最後は自然に「建築用新造コンテナ」に着地することが得策であることを、やさしく整理します.。

中古コンテナの価格帯はどのくらい?
中古の最大の魅力は、やっぱり価格です。20FEETコンテナで「その場渡し価格」で50万円前後、新造建築用コンテナなら100万円オーバー(120万円ていど)というところです。中古コンテナを安く入手できれば、全体予算も下がる気がします。そして、中古コンテナが向いている用途も確かにあります。
・倉庫、資材置き場(容器として使う_「建築物」ではない)
・短期の仮設事務所、イベント利用
・遠隔地の一時保管
・住まいではなく、趣味空間や屋外の収納(建築物か?という点ではグレーですけど)
ここなら中古のメリットが素直に効きます。
いわば「割り切りが美しい世界」です。
住まいとしての中古コンテナハウスで起きやすい落とし穴は何?
中古コンテナハウスで“失敗”と感じやすいポイントは、だいたい次のどれかです。全部が必ず起きるわけではないけれど、起きたときに痛い。
・素性が分からない(やはり住居として使うならトレーサビリティは重要だと思います)
・中古ISOコンテナは物流で使われたものが多く、どんな環境で何年働いたかが個体差になります。
・(使うなら「ワンウェイ」と言われる、1回きりの輸送に使ったものがあります)
・潮風、豪雨、凍結、荷重の癖、衝突や局所的な損傷。履歴が読めないのは住まいでは不利です。
・錆と腐食は、直しても再発しやすい
・表面の錆を落として塗装しても、腐食が進んでいる箇所は時間差で出てきます。
・特に下部、角、溶接部、床下まわり。家づくりは「後から直せる」が意外と難しい世界です。
・歪みがあると、内装と建具で苦労する
・ぱっと見で分からない歪みが、断熱材、石膏ボード、窓やドアの建付けで効いてきます。
・ここで工数が増えると、中古で浮いたはずのお金がさっさと静かに消えていきます。
(断熱には吹き付けウレタン断熱が一番相性がいいですが、装備が大変なので、コンテナ1台の断熱施工には基本料金が高くて断念しがちです)
・断熱・気密の作り込みが難しくなる
中古コンテナ 断熱で調べる人が多いのは当然で、住むなら断熱が命。
ただ、下地の状態がバラバラだと、断熱施工もきれいに決まりにくい。結露対策も難易度が上がります。
・におい、汚れ、床材の問題が読めない
・個体によって、床や内部に「消えにくいクセ」が残っていることがあります。
全部がそうではありません。でも、住まいはここが致命傷になりやすい。毎日の距離が近すぎるからです。
・法規と申請の段階で設計が窮屈になることがある
(そのまま使うには材質が建築基準法に準拠していませんのでJIS鋼材での補強が必要です)
・コンテナを住まいとして使うなら、建築確認や構造・防火・避難、用途や地域条件など、建築としての整理が必要になります。
中古の個体差が大きいと、説明と整合に余計な労力がかかる場合があります。

中古の本当の敵は「追加コストの読めなさ」があります
中古コンテナの怖さは、中古そのものというより「総額が読みにくい」ことです。
・補修、補強
・錆処理、下地調整
・建具が合わない調整
・断熱と結露対策の追加
・運搬や荷下ろし時の制約
・想定外のやり直し
ここが積み重なると、中古コンテナ 価格で感じたお得感が、最後は消えるどころか逆になることも多いでしょう。
そして住宅は、薄くなった分だけ、心が削れます。これは地味に効きます。
だから当社は「新造の建築用コンテナ」しか使わない
中古を否定するためではなく、住まいの品質を安定させるためです。
新造の建築用コンテナにすると、次が揃います。
・寸法精度と歪みの少なさ
・素材と製造のトレーサビリティ
・錆や腐食のリスクが小さいスタートライン
・断熱、内装、開口の設計が素直に決まる
・説明責任が立つので、申請や検査の段取りが組みやすい
・長期運用の安心感が出る
・デザイン的な自由度も大きくなる(最初から、コンテナの設計から行うからです)
要するに、家づくりが「ギャンブル」から「設計」になります。
この差は、完成写真よりも、完成後の暮らしで効いてきます。

中古で検討するなら、最低限ここだけは見てください
それでも「中古コンテナ 購入で行きたい」という人もいるはず。現実として予算は大事です。
その場合は、最低限この観点で見てください。
・下回りの腐食(床下、角、溶接部)
・扉の開閉と建付け(歪みの目安)
・床の状態(反り、傷み、臭い)
・雨仕舞いの想定(屋根計画が必須になることが多い)
・住まいとしての断熱結露対策の方針
・最終的に建築として整理できるか(設計者と早めに相談)
中古は「良い個体に当たれば」光ります。
でも、当たり外れを見抜く目と、外れたときの対応力が必要です。
ただし、こう書いているからと言って、あなたの中古の選択に当社は責任は持ちませんので悪しからず。
住まいで後悔しない近道は、最初から建築用に作られた箱を使うこと
中古コンテナハウスには夢があります。
SDG’s的なイメージもあります。
「勿体無い」思想には寄り添っているように思います。
けれど、住まいは夢だけでは長続きしません。汗と日常と、家族と、梅雨と、台風と、夏の夜。毎日が本番です。
だから当社は、新造の建築用コンテナを使い、最初から住まいとして整う設計をします。
中古に揺れた心が、最後に落ち着く場所。そこが新造の建築用コンテナです。
さらに詳しい設計思想や実例は、container-bible.jp側でも体系的にまとめています。検索で迷子になったら、いったん地図に戻るつもりで覗いてみてください。
Q&A(コンテナハウス中古でよくある質問)
Q1. 中古コンテナで家を作るのは可能?
A1. 物理的には可能です。ただし個体差が大きいので、補修や断熱結露対策を含めた総額とリスク(そのままでは建築基準法には準拠できない)を前提に計画する必要があります。
Q2. 中古コンテナの価格が安いなら、結局お得?
A2. お得になることもありますが、錆処理や歪み調整、断熱の難易度によって追加費用が増えると、総額の優位が消える場合があります。
Q3. 中古ISOコンテナは住宅に向いている?
A3. 物流用として作られたものが多く、住宅用途に最適化されていません。住まいにするなら設計と施工で住宅性能を作り込む必要があります。
Q4.ISOコンテナの新造なら住宅に向いている?
A4.ISO輸送用コンテナの構造は「壁」が構造体です。まどなどの「開口部」を開けると途端に「弱体化」しますので、「補強」が必要です。それらをわかった方に施工してもらわないと、安心安全は担保出来ません。
Q5. 中古コンテナの錆は塗装で止まる?
A5. 表面の錆は処理できますが、腐食が進んでいる場合は再発リスクがあります。下回りや溶接部など重点的な確認が必要です。
記事の監修者
大屋和彦
九州大学 芸術工学部卒 芸術工学士
早稲田大学芸術学校 建築都市設計科中退。
建築コンサルタント、アートディレクター、アーティスト、デザイナー。
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