コンテナハウスコラム

更新日:2025.02.28

コンテナハウスのデメリット

コンテナハウスはなぜ凄い

建築基準法に準拠したコンテナハウスのメリットデメリットを考える

コンテナハウスのメリット、デメリットの話は「輸送用ISOコンテナ」と「建築基準法に準拠した建築用コンテナ」の話が混ざった状態で話されていることが多いので、ここではそれらをきっちり分けた状態で、メリットデメリットを整理してみたいと思います。
建築基準法に準拠したコンテナハウスには、一般的に言われている(海洋輸送用ISOコンテナ)のコンテナハウスとは異なり、日本の法律に適合させるための調整(鋼材の種類や構造方式などの遵法性)がされています。その上で、メリット・デメリットを整理してみましょう。

メリット

法的に安心して利用可能

• 建築基準法に準拠した建築用コンテナは、建築基準法に適合しているため、その他の計画そのものがしっかりしていれば、違法建築とならず、行政指導や撤去命令などを受けるリスクはないし、資産価値としても「重量鉄骨」として正しく評価されます。

• 確認申請が通りますし、正しい「重量鉄骨の建物」として住宅ローンや火災保険などの金融商品を「本体そのものの状況としては」使うことができます、(借り入れる方の審査などもありますのでそこはクリアしてください)。

耐震性・耐火性の確保

• 日本の厳しい耐震基準に適合するよう補強されるため、地震が多い地域でも安心。もしろん震度7強の揺れにもびくともしません。(液状化現象の問題などは、本体の強度とは別種の問題なので専門家と相談してください)

• 防火対策(断熱材・耐火被覆など)を施せば、火災リスクも軽減できる。普通に「準耐火建築」まではすぐに対応できます。「

耐火建築」も可能ですが、そこまでいきますとコンテナ建築のメリット(早い工期)などが消えていきますので、「在来工法」の方がコスト的に有利かも知れませんし、コンテナ建築のあの「コンテナ的外観のビジュアル」がお好きな方は「耐火塗装」しか方法がなくなりますのでコスト的に高くなります。

デザイン性と自由度の高さ

• コンテナを組み合わせることで、ユニークなデザインやレイアウトが可能。この部分はIMCA_現代コンテナ建築研究所が最も得意とする「他社との差別化」部分ですね。複合組み合わせのコンテナハウスのデザインは「IMCA_現代コンテナ建築研究所」が最高だとみなさまに認めてもらっております。

• 可動式や増築のしやすさを活かし、用途変更に柔軟に対応できる。場所を変えたり、組み合わせを変えたり、事実今までもそのような対応をさせていただいた物件がございます。

比較的短期間で建築可能

• コンテナは工場で事前に加工できるため、施工期間が短縮され、現場での工事が最小限で済む。このメリットはかなり大きなメリットです。特に商業施設などでは数ヶ月完成が早くなると、その数ヶ月分の売り上げが、他の工法より先に立つことになり、有利に事業に反映できます。確認申請時点で工場で組立が始まりますので、その工期の短縮はかなり大きなものです。

環境にやさしい

• 「鉄」という素材は実は「錆びた状態」が元の原料の状態です。古くなった建物は解体し、「構造材の鉄」はまた完全に新しい鉄に生まれ変わることが出来ます。鉄は環境にやさしい循環材料なのです。

• 断熱材やエコな設備を導入すれば、省エネ住宅として活用できる。最近の技術で省エネ住宅として作ることは簡単なので、時代にマッチした建築物です。

デメリット

建築基準法に適合させるためのコスト増 ?

• 一般的なコンテナハウスはそのままでは建築基準法を満たさず(輸送用ISOコンテナのことです)。なので建築用コンテナは、一般的な重量鉄骨よりも工場生産なので多少高ストも安く、デメリットではありません。

• ただし、通常のプレハブ住宅と比べてコストが大幅に安いわけではありません。パナホームとか、セキスイのプレファブ住宅などよりはかなり安く、これもデメリットとはいえないですね。

断熱性・快適性の課題

• 金属製のコンテナはそのままですと夏は高温、冬は低温になりやすく、断熱材や換気設備が不可欠ですが、これはどのような工法でも「断熱工事」は必要ですし、「断熱工事」をやれば普通の過ごせますのでこれもデメリットというわけではないですね。

• 適切な断熱対策をしないと、結露が発生しやすく、居住環境が悪化する。などと言われますが、これもどのような工法でも言えることなので「コンテナハウスのデメリット」というわけではないですね。

設計・施工の自由度に制限がある?

• 建築基準法の規制(構造耐力・高さ制限など)をクリアするため、自由なデザインに制約が出ることも。確かにある程度ありますが、IMCA_現代コンテナ建築研究所のコンテナは「システム建築」のレベルになっておりますので、色々な対応が可能で、一般のコンテナハウスより、自由度はかなり大きくなっています。

• 既存のコンテナサイズに制約されるため、間取りの自由度が低い。と言われますが、IMCA_現代コンテナ建築研究所のコンテナは縦横などの向きも変えられ、大きな自由度を持っています、その他「イクスパンション工法」や「ハイブリッド工法」などでそのようなデメリットを消す工法も持っていますので、それほど計画性が悪いなどということはありません。

輸送・設置時の制約

• 大きなコンテナを輸送・設置するには、大型トラックやクレーンが必要になり、狭い土地では設置が難しい。と言われますが、「狭い土地」は後方に関係なくあまり建ち。ませんというよりは、運び込みの上で「「狭い道路と曲がり角」に弱いのは事実です。東京の古い町の「世田谷」などはなかなか入って行けないところもあります。

• 建築予定地までの道路状況(幅員・重量制限)によっては、搬入が困難になる可能性がある。基本的には40FEETコンテナを持ち込めるのは「幹線道路沿い」などに限られ、ほとんどは20FEEYコンテナで計画することになります。

中古コンテナの品質管理

• 海上コンテナの中古品を使う場合、錆や汚れ、歪みがある可能性があり、補修が必要。ですが、建築にはもともと海上コンテナを使うのには無理がありますので、これはデメリットというより、使えない話をしても仕方ないですね。

• 化学物質(塗料や防腐剤)が残っている場合、安全性を確保するための対策が必要になる。もともと、トレーサビリティのないものを使うのはもう難しい時代です、リサイクル思想も大事ですが、 それには過去を遡れる情報が付属していることが大事な時代です。とりあえず中古コンテナの話は「デメリット」でもなんでもなく、使えない話です。

まとめ

建築基準法に準拠したコンテナハウスは、法的な安心感や耐震性を確保できる点が大きなメリットですが、その分コストや設計の制約が生じるのでではないかという話が多かったのもどうやら克服されています。

住宅としての快適性を高めるためには、断熱・換気・防火対策が欠かせませんが、そのようなことも普通に対応できるということがわりました。コンテナハウスに関する「後悔」や「悩み」はどうやらISO海洋輸送用コンテナの中古を使った場合の話でしかないようです。

コストと設計のバランスを考えながら、用途(住宅・事務所・店舗など)に応じた適切なプランを工法に関係なく検討することが重要です。コンテナ好きには安心する内容でした。