コンテナハウスコラム

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リアルな“コンテナハウスの深堀り話”です。

更新日:2026.08.27

14_タイニーハウス

おしゃれなコンテナハウス

コンテナの構造とデザイン

40FTコンテナハウスでつくるタイニーハウス決定版|広さ・間取り・価格・建築確認をプロが解説

40FTコンテナハウスは、タイニーハウスとして成立するのでしょうか。

結論から言えば、成立します。しかも単なる「寝られる小屋」ではなく、キッチン、トイレ、浴室、収納、寝室まで備えた、小さいながらも独立した住宅を計画できます。40FTコンテナは外形で長さ約12.2m、幅約2.44m。床面積は外形寸法で約29.7㎡あり、20FTコンテナのおよそ2倍です。断熱材や内装下地を施工したあとの実際の室内面積は仕様によって変わりますが、おおむね24〜26㎡前後がひとつの目安になります。

この面積は、1人ならかなり豊かに、2人でも暮らし方を整理すれば十分に生活を成立させられる大きさです。一方で、40FTには「幅が細く、長さがある」という独特のプロポーションがあります。普通のワンルームマンションのように考えるとうまくいきません。さらに、約12mの躯体を敷地まで運び、クレーンで設置できることが大前提です。つまり40FTコンテナハウスは、箱を買えば完成する商品ではありません。空間設計、構造、断熱、設備、輸送、基礎、建築確認を一つの計画としてまとめて、初めて住宅になります。

この記事では、コンテナ建築を25年以上研究し、製造と現場の両方を見てきた立場から、40FTコンテナによるタイニーハウスの広さ、間取り、価格、建築確認、断熱、輸送、土地選びまで、計画前に知っておくべきことを正直に解説します。

40FT建築用コンテナでつくったタイニーハウスの完成外観
40FT建築用コンテナでつくったタイニーハウスの完成外観

先に結論|40FTコンテナは「小さな家」が完成する最小のロングサイズ

40FTコンテナハウスの要点を先にまとめます。

項目目安・考え方
外形寸法長さ約12,192mm×幅約2,438mm。ハイキューブは高さ約2,896mm(40FEETは通常ハイキューブ)
外形上の床面積約29.7㎡、約9坪
室内面積断熱・内装仕様により、おおむね24〜26㎡前後
向いている暮らし1人暮らし、2人暮らし、別荘、二拠点居住、離れ、宿泊棟
代表的な間取りワンルーム、1DK、コンパクトな1LDK
価格の考え方箱の価格ではなく、設計・基礎・輸送・設備・内外装を含む総額で判断
建築確認土地に固定して継続使用する場合、原則として建築物として計画
最大の長所1台で生活機能をまとめやすく、継ぎ目の少ないロング空間がつくれる
最大の注意点細長い室内の設計と、約12mの躯体を運ぶ搬入経路

40FTは、20FTの単純な大型版ではありません。20FTは「一つの部屋」をつくるのが得意ですが、40FTは一台の中に「暮らしの流れ」をつくれます。玄関からキッチン、リビング、寝室へと、生活を長手方向に組み立てられる。ここが40FTをタイニーハウスとして使う最大の意味です。

全長約12mの40FT建築用コンテナ
全長約12mの40FT建築用コンテナ

40FTコンテナの広さは何坪・何畳なのか

40FTハイキューブの代表的な外形寸法は、長さ12,192mm、幅2,438mm、高さ2,896mmです。外形寸法から計算した床面積は約29.7㎡で、坪数では約9坪になります。ただし、これは外側から測った面積です。住宅にする場合は、柱や壁に加えて断熱層、空気層、内装下地、仕上げ材が必要になるため、室内の有効面積は小さくなります。

「40FTは約18畳」と紹介されることがありますが、これは外形面積を畳数へ置き換えた表現に近く、そのまま18畳の部屋ができるという意味ではありません。実際の室内は、使用する構造体、断熱の厚さ、壁の納まり、設備配管の通し方によって変わります。計画初期には外形面積だけを見ず、完成後の内法寸法で家具と設備を配置することが重要です。

一方、高さはハイキューブを使うことで大きな可能性が生まれます。天井懐や断熱層を確保しても、一般的なコンテナより室内高さを取りやすく、圧迫感を抑えられます。高窓、勾配天井風の内装、ロフト収納など、高さを生かす設計も可能です。ただし、ロフトを設ければ無条件に床面積へ算入されないわけではありません。形状や高さ、用途によって法的な扱いが変わるため、設計段階で確認が必要です。

40FTハイキューブコンテナの外形寸法と展開例
40FTハイキューブコンテナの外形寸法と展開例

【内部リンク・小記事1】ここから「40FTコンテナは何坪・何畳?外寸・内寸・室内面積を図面で解説」へリンク。

40FTがタイニーハウスに向いている5つの理由

1.一台で水回りと居住空間を分けられる

20FT一台では、浴室、トイレ、キッチンを入れると、居住部分が急に窮屈になります。40FTは長手方向に余裕があるため、片側へ水回りを集約し、残りをLDKや寝室として使えます。配管距離を短くする「設備コア」をつくれば、工事とメンテナンスの合理化にもつながります。

2.継ぎ目のないロング空間がつくれる

複数のコンテナを連結すると広い空間をつくれますが、接合部の構造、防水、仕上げが必要です。40FT一台なら、約12mの連続した空間を一つの躯体でつくれます。長い視線が抜けるので、面積以上に奥行きを感じられることも利点です。

3.工場製作の割合を高めやすい

構造体、開口補強、サッシ、断熱、内装、設備の一部まで工場で進めれば、現地工事を減らせます。特に離島、積雪地、職人不足の地域では、現地で一から建てる部分を減らせることが大きな意味を持ちます。ただし、完成度を上げるほど輸送重量や養生、現場での接続方法を事前に詰める必要があります。

4.将来の用途変更を考えやすい

最初は別荘、将来は仕事場や宿泊棟というように、用途の変化を考えやすいのもモジュール建築の特徴です。ただし、用途変更には法規や設備基準の再確認が必要です。「箱が動かせる」ことと、「手続きなしで自由に用途を変えられる」ことは同じではありません。

5.建築としての個性が強い

40FTの長い外観は、一般住宅にはない水平性を持っています。大きな開口、深い庇、デッキ、外部収納を組み合わせると、単なる鉄の箱ではなく、風景を切り取る建築になります。コンテナの規格は設計を縛るものではありません。明快な条件があるからこそ、設計の工夫が見えやすくなるのです。

【写真3】長手方向の奥行きが分かる完成内観。室内の端から反対側を撮影し、キッチン、居間、寝室のつながりが見えるもの。
alt例:40FTコンテナハウスの長さを生かしたタイニーハウス内観

40FTタイニーハウスの間取りはどうつくるか

40FTの間取りで最も大切なのは、廊下をつくらないことです。幅が限られる空間に独立した廊下を設けると、居住部分が細くなります。通路をキッチンや収納、居間の一部として兼用し、扉の開き方や家具の奥行きを数センチ単位で調整します。

間取り例A|1人で豊かに暮らすワンルーム

玄関側に浴室、トイレ、洗面、キッチンをまとめ、中央をダイニング兼仕事場、奥をベッドスペースにします。寝室を壁で完全に仕切らず、家具やカーテンで緩やかに分ければ、長手方向の視線が残ります。1人暮らし、アトリエ付き住宅、週末住宅に向く構成です。

間取り例B|2人で暮らすコンパクトな1LDK

一方の端に寝室、中央にLDK、もう一方の端に水回りを配置します。寝室を独立させる場合、引き戸を使うと開閉スペースを節約できます。二人分の衣類や生活用品を考えると、ベッド下、壁面、天井近くの収納計画が重要です。物を増やさない思想だけに頼らず、実際に所有している物の量を測ってから設計すべきです。

間取り例C|別荘・宿泊棟として使うホテル型

入口付近に水回りと収納をまとめ、中央にベッド、景色の良い側にソファと大開口を配置します。日常の大量収納が不要なため、最も伸びやかに設計できます。デッキを第二の居間として連続させれば、室内面積以上の居場所をつくれます。

40FT一台に「個室をたくさん入れる」ことはおすすめしません。細長い箱を細かく切るほど、暗い場所と狭い通路が増えるからです。40FTの魅力は部屋数ではなく、生活機能を整理した一本の空間にあります。

【図版2】上記3案の比較平面図。家具、キッチン、浴室、トイレを実寸で入れ、同じ縮尺で並べる。
alt例:40FTコンテナタイニーハウスのワンルーム・1LDK・宿泊型間取り比較

【写真4】実際のコンパクトなキッチンと、その対面または隣にあるダイニング。
alt例:40FTタイニーハウスに設置したコンパクトキッチンとダイニング

【写真5】浴室、トイレ、洗面を集約した施工例。狭さが分かりにくい広角写真だけでなく、入口との関係が分かる写真を選ぶ。
alt例:40FTコンテナハウスの浴室・トイレ・洗面設備

【内部リンク・小記事2】ここから「40FTコンテナハウスの間取り実例|1人暮らし・2人暮らし・別荘の3プラン」へリンク。

アタッチメントを使って最高の住み心地にアップグレード
アタッチメントを使って最高の住み心地にアップグレード
細長さをうまく使いながら水回りに拡張アタッチ面をを使ってより使いやすいPLANにした40FEET決定版

20FTと40FT、タイニーハウスにはどちらがよいか

比較項目20FT40FT
長さ約6.1m約12.2m
外形上の床面積約14.9㎡約29.7㎡
得意な用途書斎、離れ、小型店舗、最小住宅1人・2人住宅、別荘、宿泊棟
水回りを入れた余裕限られる生活空間と分けやすい
輸送・搬入比較的計画しやすい道路条件と旋回スペースが重要
空間の特徴一室として明快細長い生活動線をつくれる
増築の考え方複数台の組合せに向く一台完結または大空間の構成材

20FTは「小さく始め、あとから足す」考え方と相性がよく、40FTは「一台で暮らしを完成させる」考え方に向きます。どちらが優れているかではなく、土地へ運べるか、必要な設備は何か、将来どう使うかで決めるべきです。

【内部リンク・小記事3】ここから「20FTと40FTコンテナハウスを比較|価格・広さ・輸送・間取りの違い」へリンク。

40FTコンテナハウスの価格はいくらか

40FTコンテナハウスの価格を調べると、数百万円から2,000万円を超えるものまで表示されます。差が大きい理由は、比較している範囲が揃っていないからです。コンテナの躯体だけの価格、内装済みの箱の価格、現地へ運ぶ価格、基礎や設備まで含めた建物総額が混在しています。

建築用新造コンテナを使い、設計、建築確認、断熱、内装、住宅設備を含めて「実際に住める状態」にする場合、40FT一台の総額目安はおおむね1,000万〜2,000万円程度を想定しておくのが現実的です。ただし、これは土地代を含まない概算であり、仕様と敷地条件によって大きく変わります。

総額を構成する主な項目は次の通りです。

  1. 基本計画、設計、構造検討、確認申請
  2. 建築用コンテナの構造体製作
  3. 開口補強、サッシ、入口ドア
  4. 防錆、塗装、屋根、雨仕舞い
  5. 断熱、気密、換気、内外装
  6. キッチン、浴室、トイレ、給湯器
  7. 電気、給排水、空調工事
  8. 基礎工事
  9. 輸送、クレーン、建て方
  10. 外構、デッキ、インフラ引込み

特に価格を左右するのは、土地の状態と設備です。敷地まで上下水道が来ているのか、浄化槽が必要なのか、地盤改良が必要か、クレーン車を安全に置けるかによって、建物以外の費用が変わります。また、浴室をユニットバスにするかシャワーだけにするか、キッチンをどこまで充実させるかでも差が出ます。

「コンテナだから坪単価が安いはず」という見方は危険です。本格的建築物ですから、一般建築と必要なものは変わりません。タイニーハウスは面積が小さくても、浴室、トイレ、キッチン、給湯、電気、換気という住宅設備を一式必要とします。面積が半分になっても、設備が半分になるわけではありません。小さい建築ほど、坪単価だけを見ると当然高くなっていきます。

40FEETコンテナハウスのイメージ
40FEETコンテナタイニーハウスのイメージ

【内部リンク・既存柱記事】「コンテナハウスの価格はいくら?20ft・40ft・住宅・店舗別の総額を正直に解説」へリンク。
https://container-bible.jp/column/column-container-house-price-total/
【内部リンク・小記事4】「40FTコンテナハウスの総額はいくら?本体・基礎・輸送・設備の費用内訳」へリンク。
https://container-bible.jp/column/container-house-price/

中古海上コンテナではなく、建築用コンテナから考える

ネットで販売される中古海上コンテナは、魅力的な価格に見えます。しかし、貨物を運ぶためにつくられた箱と、人が継続して暮らす建築物は目的が違います。住宅にするには、開口部の構造補強、使用鋼材の確認、基礎との接合、断熱、防水、防錆、設備配管などを建築として成立させなければなりません。

IMCAでは、原則として中古ISOコンテナを住宅へ転用せず、JIS鋼材を使った建築用新造コンテナを計画段階から製作します。窓やドアの位置を先に決め、必要な構造を残し、基礎との接合まで設計するためです。大きな窓を開けてから補強方法を考えるのではなく、開口を含んだ状態で構造を考える。この順序が重要です。

中古コンテナを否定する必要はありません。倉庫や用途によっては合理的な場合もあります。ただし「中古の箱が安い」ことと、「適法で快適な住宅が安く完成する」ことは別問題です。初期価格ではなく、完成までの総額と、その後の維持管理まで比較してください。

40FEET_containerの製造中写真
40FEET containerの製造中写真
40FEET_containerの製造中写真
40FEET containerの製造中写真

【内部リンク・既存記事】「コンテナハウスを中古で探す人へ。中古の良さは認めつつ、新造を選ぶ理由」へリンク。
https://container-bible.jp/column/container-house-used-vs-new-build/

40FTコンテナハウスに建築確認は必要か

土地に置いて継続的に住宅として使い、随時かつ任意に移動できない状態であれば、一般に建築基準法上の建築物として扱われます。国土交通省も、随時かつ任意に移動できないコンテナは、その形態と使用実態から建築物に該当し、一般に確認申請を行って確認済証の交付を受けなければ設置できないと案内しています。

したがって、「基礎に載せるだけだから確認申請はいらない」「コンテナだから建築物ではない」という理解で計画を進めるべきではありません。住宅として使うなら、用途地域、建ぺい率、容積率、接道、防火規制、斜線制限、地盤、構造、採光、換気、設備などを確認します。都市計画区域外であっても、すべての法規や手続きがなくなるわけではありません。

また、土地を購入してから建てられないことが分かるのが最も大きな失敗です。候補地の段階で、行政または確認検査機関、設計者、施工者と事前相談を行うべきです。40FTの場合は法規に加えて搬入条件もあるため、「法律上建てられる土地」と「実際に運び込める土地」の両方を満たす必要があります。

なお、2025年には、一定要件を満たすコンテナ等建築物について、移動利用も想定した基礎と柱脚の構造方法を合理化する技術的助言が国土交通省から示されました。ただし、これはコンテナ住宅なら自由に置けるという意味ではありません。対象要件と設計条件を個別に確認する必要があります。

参考:国土交通省「コンテナを利用した建築物の取扱いについて」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000058.html

【内部リンク】「コンテナハウスを取り巻く法規制をわかりやすく解説!」へリンク。
https://container-bible.jp/serialization/legal_regulations_002/

最大の関門は輸送とクレーン設置

40FTコンテナの計画で、図面より先に確認したいのが搬入経路です。約12mの長い躯体を積んだ車両は、乗用車のようには曲がれません。前面道路の幅だけでなく、交差点、電線、街路樹、標識、道路勾配、橋梁、進入口の角度、敷地内の旋回スペースを確認します。

さらに、現場ではクレーン車を据え、コンテナを吊り上げて基礎へ設置します。クレーンのブームが届くか、アウトリガーを安全に張れるか、地盤が車両重量に耐えられるか、上空に電線がないか。道路使用許可や交通誘導が必要になる場合もあります。

40FTが運べない土地で、無理に40FTを選ぶ必要はありません。20FTを2台に分けて現場で連結する方が合理的な場合もあります。反対に、港から近く、広い道路と作業スペースがある土地なら、40FTの工場完成度を高め、現場工程を短くする利点を生かせます。設計は建物の中から始まるのではなく、工場から敷地までの一本の道から始まります。

鉄の箱を快適な住宅にする断熱・結露・屋根の考え方

鉄は熱を伝えやすいため、無断熱のコンテナは外気温の影響を強く受けます。夏は暑く、冬は冷え、温度差があれば結露も起こります。これはコンテナ住宅の宿命ではなく、設計と施工で解決すべき建築上の課題です。

IMCAでは、地域と仕様に応じて吹付硬質ウレタンなどを用い、壁、屋根、床を連続して断熱します。重要なのは断熱材の厚さだけではありません。柱や梁を通じて熱が移動する熱橋、室内側の防湿、換気経路、サッシ性能、日射遮蔽を一緒に考えます。

屋根も大切です。コンテナ上面をそのまま最終屋根と考えず、二重屋根や通気層、庇を設ければ、直射日光と雨音を抑え、雨仕舞いの信頼性を高められます。南や西の大開口には庇や外付けブラインドを計画し、冬の日射を取り込みながら夏の日射を遮る。小さな建物ほど、窓一枚の影響が大きいのです。

【写真12】壁または天井へ断熱材を施工している途中の実写。仕上げ前で、断熱の連続性が見える写真。
alt例:40FTコンテナハウスの壁と天井に断熱材を施工する工程

【写真13】二重屋根、庇、通気層の納まりが分かる外観または施工中写真。
alt例:夏の熱と雨音を抑える40FTコンテナハウスの二重屋根

【内部リンク・小記事7】「コンテナハウスは夏暑く冬寒い?断熱・結露・二重屋根の正解」へリンク。
https://container-bible.jp/column/column-4807/

40FTタイニーハウスが向いている人、向かない人

40FTが向いているのは、必要な物と生活動線を整理し、小さな面積を設計で豊かにしたい人です。1人または2人暮らし、週末住宅、二拠点生活、自然の中の別荘、親世帯や子世帯の離れ、独立した仕事場、少人数の宿泊棟などに適しています。大きな家を小さく真似るのではなく、小さい家ならではの暮らしを選べる人に向きます。

一方、個室を三つ以上ほしい、大量の収納が必要、頻繁に大人数を招く、将来すぐに家族人数が増えるという人には、一台完結の40FTは窮屈です。また、搬入路が狭い土地では、建物として理想的でも施工できません。その場合は20FTの複数配置や、コンテナと在来工法を組み合わせる方が自由度を得られます。

タイニーハウスは我慢して住む家ではありません。面積を減らす代わりに、好きな場所、好きな材料、好きな時間へ予算と意識を振り分ける家です。40FTは、その選択を現実の住宅へ変換できる、ちょうどよい大きさのモジュールだと私たちは考えています。

40FTコンテナハウス完成までの流れ

  1. 暮らし方、人数、予算、希望地域を整理する
  2. 候補地の法規、接道、インフラ、災害リスクを調べる
  3. 40FTトレーラーとクレーンの搬入可能性を確認する
  4. 平面計画、開口、設備コア、収納を決める
  5. 構造設計と建築確認申請を進める
  6. 工場で構造体、開口補強、塗装、可能な範囲の内外装を製作する
  7. 現地で基礎とインフラ工事を行う
  8. コンテナを輸送し、クレーンで設置する
  9. 給排水、電気、仕上げ、デッキ、外構を接続する
  10. 検査と調整を経て引き渡す

工場と現場を同時に進められることはコンテナ建築の強みですが、すべての工期が自動的に短くなるわけではありません。確認申請、電力や水道の協議、地盤、資材納期は一般建築と同じように必要です。早く完成させたいほど、最初の調査と設計に時間を使うべきです。

よくある質問

Q1.40FTコンテナハウスは何坪ですか?

外形寸法で計算すると約29.7㎡、約9坪です。ただし住宅として完成した室内面積は、構造、断熱、内装の厚みによって小さくなり、おおむね24〜26㎡前後が目安です。最終的には各計画の内法寸法で確認してください。

Q2.40FT一台で2人暮らしはできますか?

できます。コンパクトな1LDKまたはワンルームに、キッチン、浴室、トイレ、洗面、収納を計画できます。ただし、所有物の量と生活時間の違いを考え、収納と音の分離を丁寧に設計する必要があります。

Q3.40FT一台で2LDKはできますか?

物理的に区切ることはできますが、通路と暗い個室が増えやすいため、快適性の面ではおすすめしません。2LDKが必要なら20FTまたは40FTを複数使う構成、あるいは在来工法との組合せを検討した方が合理的です。

Q4.40FTコンテナハウスの価格はいくらですか?

建築用新造コンテナを使い、設計、確認申請、基礎、輸送、断熱、内外装、住宅設備まで含めると、おおむね1,000万〜2,000万円程度が一つの目安です。土地、地盤、インフラ、仕様、搬入条件によって変わるため、箱の価格ではなく完成総額で比較してください。

Q5.土地に置くだけなら建築確認は不要ですか?

いいえ。土地に固定し、継続的に住宅などとして使い、随時かつ任意に移動できない場合は、一般に建築物として扱われます。候補地を決める前に、行政、確認検査機関、設計者へ相談してください。

Q6.中古海上コンテナを住宅にできますか?

検討自体は可能ですが、使用鋼材、劣化、開口補強、基礎との接合、建築確認など、多くの確認が必要です。安い中古箱を買ってから住宅化を考えると、改修費が増えることがあります。IMCAでは原則として、計画時から建築用に製作する新造コンテナを使用しています。

Q7.コンテナハウスは夏暑く、冬寒いですか?

無断熱なら外気の影響を強く受けます。しかし、壁・屋根・床の連続した断熱、熱橋対策、防湿、換気、サッシ、二重屋根、日射遮蔽を適切に設計すれば、住宅として快適な環境をつくれます。

Q8.40FTはどこへでも運べますか?

運べません。約12mの躯体を積載するため、道路幅、曲がり角、勾配、電線、進入口、敷地内の旋回、クレーン設置場所を確認する必要があります。設計前の現地調査が重要です。

Q9.トレーラーハウスとは何が違いますか?

建築用コンテナハウスは、原則として基礎へ接合し、建築物として設計・申請するものです。トレーラーハウスは車輪を持ち、車両としての要件や随時移動できる状態など、別の判断が必要です。外観が似ていても法的な扱いが同じとは限りません。

Q10.40FTコンテナは将来移設できますか?

構造体自体は輸送可能な寸法ですが、建物として完成した後の移設には、設備の切離し、内外装の養生、クレーン、輸送、新しい土地の基礎と法的手続きが必要です。「移設できる可能性がある」と「気軽に動かせる」は別です。

Q11.40FTコンテナにはどんな土地が向いていますか?

大型車両が接近でき、クレーン作業の場所を確保できる土地が向いています。上下水道や電力などのインフラ、接道、用途地域、災害リスクも確認します。景色がよくても搬入できなければ40FTは設置できません。

Q12.相談前に何を用意すればよいですか?

候補地の住所や公図、希望する用途、利用人数、必要な設備、おおよその予算、希望時期があると話が進みやすくなります。土地が未定でも、希望地域と暮らし方から相談できます。

まとめ|40FTは「箱」ではなく、小さな暮らしを編集する建築である

40FTコンテナは、外形で約29.7㎡。一人ならゆとりがあり、二人でも生活機能を整理すれば、キッチン、浴室、トイレ、寝室を備えたタイニーハウスが成立します。20FTより間取りの自由度があり、一台で暮らしを完結しやすい一方、細長い室内、断熱、建築確認、輸送、クレーン設置という40FT特有の条件があります。

大切なのは、安い箱を探すことから始めないことです。先に土地を調べ、暮らしを整理し、搬入を確認し、建築として構造と設備を設計する。その結果として40FTというモジュールを選ぶ。この順序なら、コンテナは制約ではなく、設計を研ぎ澄ます道具になります。

家を小さくすることは、人生を小さくすることではありません。管理する面積を減らし、場所や時間や景色を大きくする。40FTコンテナハウスは、そのための現実的で、強く、美しい器です。

株式会社IMCA/現代コンテナ建築研究所では、建築用新造コンテナによるタイニーハウス、別荘、二拠点住宅、宿泊棟の計画相談を受け付けています。土地が決まっている場合は、住所と搬入経路が分かる資料をご用意ください。土地が未定の場合は、希望地域、利用人数、必要な設備、予算から一緒に整理できます。


根拠として確認した公式資料

記事の監修者

大屋和彦

大屋和彦

九州大学 芸術工学部卒 芸術工学士
早稲田大学芸術学校 建築都市設計科中退。
建築コンサルタント、アートディレクター、アーティスト、デザイナー。

1995年よりコンテナハウスの研究を開始。以後30年間にわたり、住宅、商業施設、ホテル、福祉施設など300件以上のプロジェクトに携わる。特にホテルをはじめとする宿泊施設型コンテナハウスの設計・施工に圧倒的な実績を誇る。商業施設、住宅分野にも多数の実績があり、コンテナハウス建築業界で幅広く活躍している。