コンテナハウス施工事例
更新日:2025.07.01
住宅
MIKAN(未完)HOUSE
未完という完成が拓く、新しいコンテナ建築のかたち
FUJIYAMA_MIKAN_PROJECT
もくじ
プロローグ:「未完」であるということの価値
建築において「完成」はゴールであり、同時に終点です。しかし私たちは、あえてその終点を設けないことを選びました。「MIKAN(未完)HOUSE」──それは、設計者や施工者の手を離れたあと、住まい手の手で完成していくことを前提とした“未完の器”。
富士の裾野、緑豊かな土地に佇むこの建築は、建築用新造コンテナによって構成され、重厚でありながらも風景に溶け込む、静かなる存在感を放っています。そこには、完成しない美学と、これから始まる物語の余白が広がっています。

「コンテナハウスは完成形である」という常識を覆す
多くの人がコンテナハウスと聞いて思い浮かべるのは、工場で仕上げられたプレハブ的な完成品。たしかに規格性や施工性において、コンテナハウスは“完成されたもの”として扱われがちです。しかし、MIKAN HOUSEはその常識を根底から覆します。
私たちが採用したのは、建築用の新造コンテナ。海上輸送用の中古コンテナではなく、建築を前提とした強度・耐久性・自由度の高いコンテナユニット。これにより、間取り・開口部・断熱仕様などを自由に設計することが可能になり、「余白のある建築」が実現しました。

FUJIYAMA MIKAN(未完) PROJECTの設計思想
本プロジェクトで採用された構造は、3連結雁行型レイアウト。ただの箱の連結ではなく、棟ごとに配置と角度をずらすことで、外部環境との呼応や内部空間の広がりを創出しています。さらに、中央の“中庭的”なテラス空間が、各ユニットを緩やかにつなぎ、自然との接点を生み出しています。
床下をピロティ構造とすることで通気性や湿気対策を確保しつつ、将来的な配管・メンテナンスの自由度も考慮。このような「将来に開かれた設計」が、「未完」というコンセプトと呼応しているのです。

内装はお施主様の手で──“暮らしながら育てる建築”
FUJIYAMA MIKAN(未完) HOUSEの完成とは、構造・外装・設備の主要部分まで。つまり、“躯体としての完成”です。そしてここからは、お施主様の物語が始まります。
内装の仕上げ、家具の配置、植栽の選定──それらすべてが「未完の部分」であり、まさに“暮らしながら育てていく建築”です。
それは、「住まい手の手で完成していく余地=自由」が、建築の価値を高めるという新しい思想。

MIKAN(未完) HOUSEが提案する「未完」という生き方
「完成を目指さない」というのは、ある意味、建築のセオリーから外れた発想かもしれません。しかし、暮らしとは日々変化し続けるもの。家族構成、趣味、仕事、ライフスタイル…それらに寄り添うためには、余白があること=未完であることがむしろ理想的なのではないでしょうか。
MIKAN HOUSEは、「建築は人の生き方を固定するものではなく、拡張させるものだ」という哲学のもとに立ち上がっています。

建築用コンテナだからできる「柔構造」的な暮らし
コンテナハウスというと、工業製品的で画一的なイメージが先行しがちです。しかし、建築用新造コンテナは、まったく異なるポテンシャルを持っています。
耐震性・耐久性に優れる重量鉄骨構造(ラーメン構造)
設計自由度の高さ(開口部・断熱・塗装・連結)
仮設から恒久まで対応できる柔軟な設置性
この柔らかさと強さを両立する構造体は、まさに現代のライフスタイルにふさわしい「柔構造的暮らし」の象徴。イメージは「柔構造」ですが、実際の構造は「剛構造」という自身にもめっぽう強い構造体です。」

人生で、やがてポイントになるキーワード。
「コンテナハウス」・「店舗」・「価格」・「建築用コンテナ」。
これらはプロジェクトに含まれている重要なワードです。「コンテナハウス」は、これからの店舗建築や移住施設の選択肢としても注目されています。「建築用コンテナ」は、中古コンテナとは異なり、長期使用に耐える安全性と自由度が確保されています。
価格面でも、コストコントロールのしやすさ、分離発注の可能性があるため、予算に合わせた最適化が可能。店舗やカフェ、グランピング施設としての応用事例も多く、拡張性が非常に高いのも魅力です。

MIKAN(未完) HOUSEがひらく、新しい“家”の概念
この建築が示しているのは、「家は完成品である必要はない」ということ。そして「未完であるからこそ、人と共に育ち、変わり続けられる」という事実です。
FUJIYAMA MIKAN PROJECTは、まだ始まったばかりの物語。これからどんな家具が置かれ、どんな音楽が流れ、どんな人の笑い声が響くのか──そのすべては、まだ白紙のキャンバスに描かれていきます。

エピローグ:「未完」であることは、終わりなき希望
家が完成したとき、それは一つの終わりでもあります。しかしMIKAN HOUSEは、「終わらない始まり」として、未来を開き続けます。
自然の中に静かにたたずみながら、住む人の息遣いとともに形を変え続ける建築──。
FUJIYAMA MIKAN PROJECTは、まさにそれを体現するプロトタイプです。

MIKAN(未完) HOUSEにご興味のある方へ
MIKAN HOUSEは、オーダーメイド型の建築用新造コンテナハウスとして、店舗・宿泊施設・移住者住宅など、さまざまな活用が可能です。全国対応も可能ですので、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
