コンテナハウス施工事例

更新日:2026.01.29

商業施設

オフィス/事務所

20FEET×24台コンテナで“48台級”の空間へ|DUAL_CORE_Σが生む「鉄とガラスのラビリンス」

Σ型、コンテナハウス。鉄とガラスのラビリンス

コンテナ建築の魅力は、見た目のインパクトだけではありません。むしろ本質は、世界のロジスティクスが生んだ「規格」を、建築の武器に変えることにあります。寸法が揃い、運べて、置けて、増やせる。そんな合理の塊が、設計の手で“体験”へ変換されるとき、コンテナはただの箱ではなく、空間を増幅する器になります。
今回の計画、DUAL_CORE_Σ(シグマ)versionは、数字の時点で物語が始まっています。20FEETコンテナ×24台。けれど実体感としては、48台分のボリューム。単なる連結ではありません。箱を積むのではなく、箱と箱の間に“空間”を発生させ、その空間までも躯体として回収していく。結果として、規格の建築が、都市のスケールへ跳ね上がる。そこに現れる景色が、私たちは呼びたいのです。「鉄とガラスのラビリンス」と。

コンテナ建築、正面のファサード

コンテナハウスの誤解を、ここで終わらせる

コンテナハウスという言葉には、いまだ誤解がつきまといます。海上輸送用コンテナを転用した“仮設的な箱”。狭い。夏暑い。冬寒い。デザインは派手だが、建築としては荒い。そういうイメージを持つ人もいます。
しかし、建築用コンテナという世界は別物です。目的は転用ではなく、最初から建築として成立する躯体をつくること。構造、断熱、開口、設備、仕上げ、法規対応まで含めて、建築の言語として整えられたモジュールです。
そして、DUAL_CORE_Σはさらにその先へ進みます。箱の“単体性能”の話を超え、箱が集まったときに何が起きるか。集積が空間の質をどう変えるか。ここが主戦場です。コンテナ建築が最も強くなるのは、反復によって建築が静かに巨大化し、しかも管理可能なまま成熟していくときです。

20FEET×24台の巨大PLANが、なぜ48台級になるのか

まず前提として、20FEET×24台という時点で、計画は十分に巨大です。しかし、DUAL_CORE_Σが生み出すのは“台数分の床面積”だけではありません。むしろ鍵は、箱と箱の間に発生する「非コンテナ空間」にあります。
箱をぴったり繋げれば、得られるのは延床の増加です。けれど、箱を少し引く。少しずらす。少し跨ぐ。すると、そこに吹き抜けが生まれ、中庭が生まれ、回廊が生まれ、透明な視線が生まれる。これらは延床の数字だけでは表せない、体感としてのボリュームを増幅させます。

48台級、という表現は数字遊びではありません。空間が二重化するからです。箱がつくる「部屋の量」に加えて、箱が囲う「余白の量」が建築の主役として立ち上がる。結果、規格の集合体が、街区のような複雑さと奥行きを帯びます。

鉄骨階段とガラス壁が連続するコンテナ建築の吹抜空間

DUAL_COREとは何か:心臓が二つある建築

DUAL_COREとは、建築の中心が二つあるという設計思想です。中心とは、ただの真ん中ではありません。動線、設備、構造、運用の要(かなめ)です。
コアが一つの建築は、どうしても“線”になりやすい。廊下が伸びて、部屋が並ぶ。機能的ですが、面の広がりや余白の扱いが単調になりやすい。
コアが二つになると、建築は一気に“面”になります。二つの中心点の間に、強い関係が生まれる。そこに中庭を置ける。回廊を掛けられる。視線を通せる。用途のゾーニングも、セキュリティラインも、運用のメリハリも、設計で自在に制御できるようになる。
研究施設やラボ、オフィス、店舗、宿泊施設。どの用途でも共通するのは、人と設備とサービス動線の分離・交差の設計が質を決めるということです。DUAL_COREは、その“交差の制御”を得意にします。建築の心臓が二つあることで、循環が生まれ、滞留が生まれ、そして「迷路=ラビリンス」が単なる迷いではなく、体験として設計可能になります。

ステンレスカウンターが光を反射する工業的内装、コンテナ建築の厨房・CAFE空間

Σ(シグマ)とは何か:足し算ではなく、総体への変換


Σは、ただ合計する記号ではありません。要素が集まって“別のもの”へ変わるときの総体を表す。DUAL_CORE_Σが目指すのはまさにそこです。
20FEETという規格の箱を、台数分だけ並べる。これは足し算です。
しかし、箱と箱の間に空間を生み、回収し、循環させ、庭をつくり、透明性を与える。ここまで来ると、足し算ではなく変換になります。
変換が起きると、建築の価値は次元が変わります。
単体の部屋の集合から、街区のようなスケールへ。
用途の器から、運用が育つプラットフォームへ。
建物から、拡張可能なシステムへ。
それがΣです。

コンテナモジュールに囲われた中庭、20FEET×24台の大型計画を象徴する外部空間

鉄とガラスのラビリンス:この巨大PLANが放つ“空気”

写真の印象を一言で言うなら、清潔で、透明で、迷宮的です。白い箱体、ガラスの連続、天井に並ぶ照明、設備の正直さ、そして軽やかな鉄骨階段。ここで生まれているのは、工業の冷たさではなく、管理可能な美しさです。
ガラスは視線を通します。視線が通ると、空間は広く感じる。だけど、広いだけなら退屈にもなる。そこで必要になるのが、奥行きと屈折です。廊下が続く。ガラス越しに作業が見える。階段が一段ずつ視界を切り替える。中庭に出た瞬間、光が変わる。
この切り替えの連続が、ラビリンスを体験に変えます。
迷うための迷路ではありません。
“発見しながら進むための建築”です。
そして鉄は、その体験を締める骨格になります。鉄骨階段は特に象徴的です。階段は移動装置でありながら、空間のリズムをつくる装置でもある。直階段は速度を、曲線や傾斜の見え方は緊張感を、手すりの線は空間の方向性を支配します。モジュール建築において階段が美しいと、建築は一気に生き物になります。血管が通るからです。

コンテナモジュールに囲われた中庭、20FEET×24台の大型計画を象徴する外部空間

巨大でも、速い。巨大でも、正確。コンテナ建築の現実的な強み

壮大な計画は、夢の話で終わりがちです。大きいほど、工期は伸び、品質は揺れ、コストは膨らみ、現場は荒れる。ところが、コンテナ建築はここに別解を出します。
規格を使うから、製造が管理できる。
輸送が読めるから、段取りが組める。
現場作業を減らせるから、品質が揺れにくい。
増設・改修が計画に組み込みやすいから、成長が前提になる。
この「巨大なのに管理できる」という性質こそが、DUAL_CORE_Σの真価です。都市的スケールの建築を、工場と現場の分業で成立させる。精度とスピードと再現性を武器にしながら、結果だけは“一点物の大建築”の顔になる。合理が、詩に変わる。ここがロケンロールです。

白い鉄骨階段で上階へつながる建築用コンテナモジュールの内部動線

用途はひとつに固定しない。むしろ“変わっていける”ことが価値になる

このタイプの計画で重要なのは、用途を固定しすぎないことです。ラボとして始まり、オフィスになり、ショールームになり、アカデミーになり、店舗やカフェが混ざり、イベントが入り、中庭が舞台になる。そうした“変化”を受け止められる骨格を最初から持つ。
DUAL_CORE_Σは、そのための設計です。
二つのコアがあることで、ゾーン分けができ、動線が複線化し、セキュリティや衛生動線、サービス動線が設計で整理できる。ガラスの連続は視認性を高め、運営の透明性にもつながる。つまり、建築が運用の質を押し上げるのです。

白い鉄骨階段で上階へつながる建築用コンテナモジュールの内部動線

法規・安全・運用:巨大PLANほど“当たり前”が強さになる

大規模になるほど、派手なデザインよりも「当たり前」が価値になります。避難計画、区画、防火、排煙、消防設備、保守動線。これらを“後から足して”整えると、空間は歪みます。逆に、最初から設計の核として織り込むと、建築は美しくなります。美しさとは、無理がない状態のことだからです。
コンテナ建築は、計画段階でこの“当たり前”をシステム化しやすい。規格寸法、構造のルール、設備の通し方。ここが整理されていると、巨大PLANでも破綻しにくい。DUAL_CORE_Σが目指すのは、壮大さの中に、当たり前の強さを埋め込むことです。

中庭横の渡り廊下

まとめ:コンテナは「運ぶ箱」から「空間を増幅する器」へ

DUAL_CORE_Σ_versionは、20FEET×24台の巨大PLANでありながら、48台級のボリュームを体感として成立させます。それは台数のマジックではなく、空間の発生と回収という設計の結果です。
鉄とガラスのラビリンス。
透明な廊下。
美しい階段。
中庭という余白。
管理可能な巨大さ。
ここで起きているのは、コンテナ建築の進化です。
コンテナが「運ぶ箱」から「都市的スケールを組む器」へ変わる瞬間です。
箱の集合ではなく、世界のスケールで組まれた建築として。
そして最後に。
コンテナハウスは、形の名前ではありません。
方法の名前です。
規格を武器にし、空間を増幅し、変化を受け止め、運用を育てる。
それが、次のコンテナ建築です。

 お問い合わせ、計画相談

DUAL_CORE_Σの計画相談、用途に合わせたゾーニング案、概算ボリューム検討、増設前提のマスタープラン作成まで対応します。まずは計画条件(敷地寸法・用途・必要室・想定運用)をお送りください。

ガラスの個室が並ぶ廊下空間、設備が見える研究施設型コンテナ建築

要点まとめ

・DUAL_CORE_Σは20FEET×24台でも、空間の発生と回収により48台級の体感ボリュームを生む
・コアが二つあることで、動線・設備・運用の中心が複線化し、建築が“線”から“面”へ変わる
・箱そのものより、箱と箱の間の非コンテナ空間(中庭・吹抜・回廊)が価値になる
・鉄骨階段とガラスの連続は、透明性と奥行きの切り替えを生み「鉄とガラスのラビリンス」を成立させる
・規格を使うことで、巨大でも品質・工程・段取りを管理しやすい
・用途を固定しない設計が、長期運用と拡張性を強くする

ガラスの個室が並ぶ廊下空間、設備が見える研究施設型コンテナ建築

FAQ よくある質問へのお答え

Q1. DUAL_CORE_Σとは何ですか?
A. 二つのコア(動線・設備・運用の中心)を持ち、箱の間に生まれる空間まで回収して総体(Σ)へ変換する、コンテナ建築の計画手法です。


Q2. 20FEET×24台で48台分のボリュームになるのはなぜ?
A. 箱の床面積の足し算だけでなく、箱と箱の間に吹抜・中庭・回廊などの非コンテナ空間を発生させ、それを建築の主役として設計するため、体感ボリュームが増幅します。


Q3. こうした大型コンテナ建築は何に向いていますか?
A. 研究所、ラボ、オフィス、ショールーム、アカデミー、店舗・カフェ、宿泊・滞在型施設など、用途が複合する計画に向きます。


Q4. ガラスを多用すると暑さ寒さが心配です。
A. 開口の配置、庇、断熱・遮熱、空調ゾーニング、換気計画の組み合わせで成立させます。透明性と性能は両立可能で、計画段階の統合設計が重要です。


Q5. 工期はどれくらい短縮できますか?
A. 条件によりますが、工場製作と現場工事を分業できるため、現場作業比率を下げやすく、工程の読みやすさが強みになります。


Q6. 増設は簡単ですか?
A. 増設を前提にしたマスタープランとインフラ計画(設備容量・動線・避難)を最初から組み込むと、拡張の難易度が大きく下がります。


Q7. 法規や消防は大変では?
A. 大規模ほど、避難・区画・防火・排煙・消防設備を計画の核として整理する必要があります。後付けでは空間が歪むため、初期段階から統合して設計します。


Q8. “コンテナらしさ”は残りますか?
A. 形で残すことも、方法として残すことも可能です。本計画は後者で、規格と反復・管理可能性が建築の強さになっています。


Q9. 中庭をつくるメリットは?
A. 採光・通風・回遊性・イベント性・心理的な広がりを得られます。箱の間の余白が、施設の価値を底上げします。


Q10. 「鉄とガラスのラビリンス」とは具体的に何?
A. ガラスによる視線の連続と、階段・廊下・中庭による視界の切り替えが重なり、発見しながら進む体験として空間が設計されている状態を指します。