コンテナハウスコラム
四半世紀以上にわたり現場に立ち
研究し続けてきた私たちだから語れる
リアルな“コンテナハウスの深堀り話”です。
量産では届かない“唯一の建築”をつくるということ(現代コンテナ建築研究所|IMCA)
コンテナ建築には、大きく分けて二つの道がある。
ひとつは、システム化されたインダストリアルデザインの世界。
寸法、材質、構造、設備、スケジュール……あらゆるプロセスが合理化された、「現代の工業建築」としてのコンテナハウス。
そしてもうひとつが、ONE OFF DESIGN(ワンオフデザイン)。
これは、「同じものが二つと存在しない」というある種の狂気とロマンの世界だ。
現代コンテナ建築研究所(IMCA)は、この “合理と狂気の境界線” に、ずっと鉛筆の芯を突き立てながら進んできた建築集団だ。

もくじ
🎨 ONE OFF DESIGNとは何か?
それは“箱を超えて、建築を語る行為”一般のコンテナ建築では、20FT・40FT……
規格寸法の中で組み合わせ、直線的に積み上げ、ひとつの建築を構成していく。
だが ONE OFF DESIGN は違う。そこには“テンプレート”がない。
敷地が語る声
風の通り道
高さ制限の制約
未来の使い方
人と土地の関係
そして、建築家が“その場で見て感じ思ったこと”
これらすべてが、唯一無二のコンテナ建築を生む燃料になる。
完成形は、建築であり、彫刻であり、ランドスケープであり、時に“物語そのもの”になる。
ONE OFFは、建築を超えて、世界観のデザインなのだ。

🔧 IMCA_現代コンテナ建築研究所がONE OFFをつくれる理由
それは『“工業化”と“自由設計”の両輪を持つ』から
ONE OFFを成立させるには、実は条件が非常に厳しい。
ただ奇抜なデザインを描けば良いのではない。むしろ逆で、
建築基準法
構造計算
雨仕舞
断熱・結露
施工上の諸問題
組み立てにおけるクレーン荷重などの実務
輸出入などの貿易と物流の制約
基礎工事の実際
電気・水道・排水などの設備系の知識
消防法など避難経路等の知識
これらを “全部理解していること” が
ONE OFF DESIGN の最低ラインになる。
IMCAはコンテナを「輸送機器ではなく、建築構造体として再定義する」ことからスタートし、
そこに 工業的ロジック と 建築的ロジック を縦横無尽に混ぜてきた。
その結果、ワンオフ建築でも“破綻しない”デザインが描ける。これが他社と決定的に違うところだ。

🌏 ONE OFF DESIGNが生む価値
✔ 敷地の力を最大限引き出す建築
海・森・丘・採石跡地・離島……どんな土地でも“最適解”を計算し、形にする。
✔ 建築そのものがアイコン化する
ONE OFFはコピーできない。“その場所だけの存在”になる。
✔ 用途変更・事業化がしやすい
コンセプト設計が強いため、集客装置としての建築価値が高い。
✔ 財産価値が落ちにくい
唯一性は、中古市場でも力を持つ。
🏗️ ONE OFF は、建築×詩×インダストリーの融合である
ONE OFF をつくるプロセスは、時に “詩を書く行為” に似ている。
土地の癖に耳をすまし、風の声を拾い、敷地の記憶を読む。
そこに工場と図面の力(=インダストリアルの鉄ロジック)を合わせ、
はじめて“建築詩”としての ONE OFF が完成する。
IMCAはこれを「コンテナ建築のロマン主義」と呼んでいる。

🔍 ONE OFF DESIGNに関するQ&A(10選)
Q1. ONE OFF DESIGNとは何ですか?
A. 世界に一つのコンテナ建築をつくる“完全自由設計”の建築方式です。
Q2. コンテナハウスのワンオフ設計は建築基準法に適合しますか?
A. 建築用新造コンテナ+構造計算により完全適合します。
Q3. コストは高いですか?
A. 規格品より上がりますが、事業価値・資産価値・ブランド価値は高くなります。
Q4. 敷地条件が悪くてもできますか?
A. むしろ敷地が個性的なほどONE OFFは光ります。
Q5. どんな用途に向いていますか?
A. 別荘、宿泊施設、店舗、アトリエ、スタジオ、展望デッキなど。
Q6. ONE OFFと量産型の違いは?
A. 量産は効率性、ONE OFFは唯一性と世界観を重視します。
Q7. 雨仕舞・断熱は大丈夫ですか?
A. 2重屋根、遮熱、結露対策などIMCA標準仕様で問題ありません。
Q8. 将来の増築は可能?
A. コンテナはモジュラ―構造のため、段階的増設が容易です。
Q9. デザイン打ち合わせの流れは?
A. 敷地調査 → コンセプト提案 → 3Dパース → 実施設計 → 工場製作。
Q10. ONE OFF DESIGNの納期は?
A. 複雑度により4〜8ヶ月が目安です。

🧠 まとめ|ONE OFF DESIGN は“建築の自由”そのもの
ONE OFF DESIGN とは、コンテナ建築が本来持つ「工業化の強み」 と「建築の芸術性」 を同時に開花させる方法だ。
IMCAはその両立を四半世紀かけて磨き上げてきた。
テンプレートではない。コピーでもない。あなたの人生と土地の“物語”だけを建てる。
ONE OFF DESIGN とは、その物語を建築という形で残す技術である。
記事の監修者
大屋和彦
九州大学 芸術工学部卒 芸術工学士
早稲田大学芸術学校 建築都市設計科中退。
建築コンサルタント、アートディレクター、アーティスト、デザイナー。
