コンテナハウスコラム
四半世紀以上にわたり現場に立ち
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リアルな“コンテナハウスの深堀り話”です。
更新日:2025.12.30
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2拠点生活
コンテナショップ出店のメリット|2拠点生活エリアで勝つ固定費と資産性
都会テナントと比べて何が合理的なのか。2拠点生活に人気の地域でコンテナショップ出店が合理的な理由を、都会テナントと比較して解説。資産性、固定費、撤退コスト、集客、働き方まで「無駄が減るポイント」を具体的に整理します。
もくじ
この記事の結論
2拠点生活に人気の地域でコンテナショップ出店を選ぶ最大の意味は、「無駄が減る」ことです。
都会テナント出店は、頑張れば頑張るほど、固定費と競争で体力を削りやすい。一方でコンテナ出店は、計画次第で資産性・撤退性・運用自由度を確保しながら、小さく勝ちを積めます。
要するにこうです。
都会は「消耗戦」になりやすい。2拠点側×コンテナは「積み上げ戦」にしやすい。

資金と資産の無駄が減る
都会テナントの内装費は、払っても資産になりにくい。撤去したら消える。持ち出せるのは機器と小物が中心です。
一方コンテナは、箱そのものが資産として残りやすく、移設・転用の選択肢がある。ここが根本的に違います。
ポイント
テナント内装は「努力の証拠」が残りにくい
コンテナは「箱が残る」ため出口が作れる
テナントは退去時に原状回復が乗りやすい(最後にもう一回お金が飛ぶ)
コンテナは計画次第で原状回復を最小化できる(撤去=移設になり得る)
都会のテナント内装費: 通常は賃貸借契約に基づき、退去時に原状回復義務が発生します。このため、内装は土地や建物に付随する設備投資(建物付属設備など)として会計処理されますが、物理的には資産として残りづらい性質を持ちます。投資回収は営業期間中の減価償却によって行われ、撤去費用も発生します。
コンテナハウス: コンテナ本体は物理的に移動可能な「動産」として扱われることが多く、土地に定着させず基礎工事を簡易にすることで、移設や売却が容易になります。そのため、建物とは異なる資産区分(車両運搬具や工具器具備品など、状況による)で処理され、資産としての流動性が高いというメリットがあります。
時間の無駄が減る
都会テナントは、物件探しからして時間が溶けやすい。条件交渉、審査、工事制約、管理規約、近隣調整。決めたくても決まらないループが起きがちです。
コンテナは規格化・型化ができるので、プランと工程が読みやすい。判断が早い。これは開業の成功率に直結します。
ポイント
テナントは制約が多く、やりたい改装が通らないことがある
コンテナは最初から業種仕様(例:美容室仕様)で設計でき、後戻りが減る
競争の消耗が減る
都会は競合が多い。価格競争・広告競争に巻き込まれやすい。そして回転圧が上がり、サービスが荒れていく。これは美容師の寿命を縮めます。
2拠点側は「静けさ」「体験価値」を買う層が一定数いる。値下げではなく価値で勝ちやすい。少席・予約制が成立しやすく、満足度でリピートを積めます。
ポイント
都会は回転の圧が強く、疲弊しやすい
2拠点側は少席・予約制と相性が良い
売上の質が上がりやすい
2拠点側は「わざわざ行く店」になれます。これが強い。
通行量で勝つのではなく、目的来店で勝つ。だから単価を守りやすい。
さらに、滞在者・移住者は紹介が起きやすく、地域内で口コミが回りやすい。
森・海・静けさ・外観などの世界観は、そのまま集客コンテンツになり、広告が資産化します。
ポイント
世界観が広告素材になる(写真が強い)
目的来店=単価設計が崩れにくい
リスク分散ができる(出口戦略が持てる)
テナントは撤退コストが重い。原状回復+違約金で、失敗時のダメージが大きい。
コンテナは移設・売却・用途転用が検討でき、出口戦略が持てます。ここは精神的にも大きい。
ポイント
テナント:撤退が重い
コンテナ:出口が複数ある(移設・転用・売却)
将来的に2号店、物販、アトリエ、サロン拡張へ横展開もしやすい。小さく始めて、勝った形を増やせます。
働き方の無駄が減る(美容師としての寿命が延びる)
固定費が軽いと、無理な集客・無理な値下げをしなくて済む。
1席・予約制で、施術の質と心の余裕を守れる。
通勤や移動のストレスが減ると、生活のリズムが整い、接客も安定する。これ、地味だけど最強です。

立地の強みをそのまま商品にできる
森・海・田園など、環境そのものが体験価値になる。都会では作れない差別化です。
夜景、照明、外観の写真が強く、SNSで「行ってみたい店」になりやすい。これは広告費を抑える最短ルートにもなります。
運営の自由度が高い
テナントは営業時間・音・看板・工事に制約が出やすい。
コンテナは計画次第で、動線・設備・収納・見せ場を最初から最適化できる。業種に合わせた“仕様の勝ち”を作れます。
都会テナント vs 2拠点側コンテナショップ 比較表(保存用)
比較項目
都会でテナント出店
2拠点側エリアでコンテナショップ
| 比較項目 | 都会でテナント出店 | 2拠点側エリアでコンテナショップ |
| 初期投資の性質 | 内装費が大きい。退去時に残りにくい | 箱が残る。転用・移設の選択肢がある |
| 資産性 | 内装は資産化しにくい(機器中心) | 本体・外装・設備計画が資産になり得る |
| 原状回復・撤退 | 原状回復が重く、撤退が痛い | 計画次第で負担を小さくでき、出口が複数 |
| 固定費 | 家賃が重くなりがち | 固定費を軽くしやすく損益分岐が下がる |
| 出店までの制約 | 規約・工事制限・近隣調整が多い | 仕様を型化しやすく工程が読みやすい |
| 競合環境 | 価格・広告競争の消耗戦 | 体験価値で差別化しやすい |
| 集客の主戦場 | 通行量・ポータル依存になりやすい | SNS・紹介・口コミで積み上げやすい |
| 働き方 | 回転圧が強く疲弊しやすい | 少席・予約制で品質を守りやすい |
| ブランド | 埋もれやすい | ロケーションがブランドになる |
要点まとめ
2拠点側×コンテナ出店は、固定費・撤退コスト・時間の無駄を減らせる
テナント内装は資産化しにくいが、コンテナは箱が資産として残り得る
2拠点側は体験価値で選ばれやすく、少席・予約制と相性が良い
ロケーションがコンテンツになり、SNS集客が資産化しやすい
コンテナは移設・転用が可能で出口戦略を持てる都会のテナント内装とコンテナ建築の間には、「資産の流動性」と「残存価値」において決定的な違いがあります。 その根本的な違いを整理すると、以下の3点に集約されます。
1. 「造作」か「動産」か
テナント内装: 賃貸物件における内装は「建物附属設備」扱いですが、解体・撤去(原状回復)が前提の「使い捨て資産」です。多額の費用をかけても、退去時には数百万円の「解体費用」という負債に変わります。
コンテナ: 構造体そのものが独立した「動産(あるいは移設可能な建築物)」です。内装を施した箱ごと移動できるため、撤去=消滅ではなく、資産価値を維持したまま場所を変えることができます。
2. 出口戦略(リセールバリュー)の有無
テナント内装: 居抜き物件として次の借主に売却できるケースもありますが、基本的には物件のオーナーや管理会社の意向に左右され、コントロールが困難です。
コンテナ: コンテナ自体に中古市場が存在します。事業に失敗したり、拠点を閉めたりする場合でも、「箱ごと中古として売却」して初期投資の一部を回収することが可能です。
3. 土地との切り離し
テナント内装: 土地・建物という「他人のプラットフォーム」に固着しており、場所の運命(立地の衰退や賃料値上げ)と心中せざるを得ません。
コンテナ: 万が一、その場所での集客が芳しくない場合、「商売が成り立つ別の場所へ箱ごと引っ越す」という、店舗ビジネスにおける究極の回避策が取れます。
結論
都会のテナント料と内装費は「場所を借りるための掛け捨て保険」に近い性質を持ちますが、コンテナは「移動可能な不動産投資」に近い性質を持っています。
特に建築確認に対応したJIS規格コンテナを選択すれば、法的資産価値も担保されるため、長期的な経営リスクヘッジとして非常に合理的な選択肢と言えます。
Q&A_5選
Q1. 2拠点側エリアは本当に集客できますか?
A. 通行量勝負ではなく「目的来店」で勝つ設計が前提です。体験価値と予約導線が整えば成立しやすいです。
Q2. テナント内装はなぜ無駄になりやすい?
A. 退去時に撤去・原状回復が必要で、資産として残りにくいからです。
Q3. コンテナショップは資産になりますか?
A. 計画次第で、箱・外装・設備が残り、移設や転用の選択肢を持てます。
Q4. 2拠点側は単価を上げやすい?
A. 「わざわざ行く店」になれると、価格ではなく価値で選ばれやすく単価を守れます。
Q5. SNS集客は都会より有利?
A. ロケーションと外観が強い素材になるため、有利になりやすいです。写真の一貫性が鍵です。
Q6. どんな業種と相性がいい?
A. 体験価値を売る業種(美容、カフェ、小さな宿、アトリエ等)と相性が良いです。


都会でテナントを借りて消耗戦に入る前に、2拠点側×コンテナで「固定費を軽くして、価値で選ばれる店」を設計してみてください。
次回は、実際にこの出店モデルを成立させるための「敷地条件と搬入据付の落とし穴」を、チェックリスト形式でまとめます。
⚫️都会で戦うより、固定費を軽くして“価値で選ばれる場所”に店を置く。2拠点側×コンテナは、そのための一番ムダのない出店だ。
⚫️テナントは出店のたびに消えていく。コンテナは積み上がっていく。事業を続けたいなら、最初から“出口のある箱”を選べ。
⚫️小さく始めて、勝ちながら育てる。2拠点側のコンテナショップは、美容師の仕事と人生を消耗戦から積み上げ戦に変える。
記事の監修者
大屋和彦
九州大学 芸術工学部卒 芸術工学士
早稲田大学芸術学校 建築都市設計科中退。
建築コンサルタント、アートディレクター、アーティスト、デザイナー。
