コンテナハウスコラム

四半世紀以上にわたり現場に立ち
研究し続けてきた私たちだから語れる
リアルな“コンテナハウスの深堀り話”です。

更新日:2026.02.15

地域とコンテナハウス

【コンテナハウス 千葉】房総で始める2拠点生活。

房総で始める2拠点生活

房総で2拠点生活を成立させる「運用設計」とロジスティクスアーキテクチャ(コンテナハウス)

「コンテナハウス 千葉」で検索している人が欲しいのは、箱そのものじゃない。千葉での暮らしを、続く形にしたい。週末だけの基地でもいいし、平日も仕事に使う拠点でもいい。あるいは宿泊施設として運用する人もいる。つまり求めているのは、千葉の風土と生活動線にフィットする“成立条件”だ。

IMCA_現代コンテナ建築研究所は、コンテナハウスを「安くて手軽な箱」として扱わない。物流の規格がもつ合理性を、建築の成立条件まで引き上げたものとして扱う。運べる、増やせる、更新できる。建築が固定資産ではなく、運用資産になる。ここに私はコンテナハウスの意味としてロジスティクスアーキテクチャという言葉を当てたい。
ただし先に釘を刺す。千葉でコンテナをやるなら、雰囲気だけで押し切ると確実に負ける。千葉の魅力と同じ場所に、設計条件の厳しさがあるからだ。具体的には次の4つ。
・留守運用(2拠点生活)による湿気と劣化
・海沿いを含む塩害と防錆
・台風・豪雨のハザードと停電リスク
・搬入計画(物流そのものが設計条件)
この記事は、この4点を「建築の言葉」で解体し、設計と仕様に落とし込むための親記事(総合版)だ。ここを土台にして、外房・内房・里山・いすみ/勝浦・館山といった地域特性や用途別に、子記事へ枝分かれしていく。

コンテナハウス内のリモートワークギア
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千葉の2拠点生活が“続く形”になりやすい理由


2拠点生活は気分の話に見えるが、国の政策文脈としても制度整備が進んでいる。国土交通省は二地域居住の推進ページで、制度の背景やガイドライン、公表資料をまとめている。根拠はここに置く。https://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/chisei/kokudoseisaku_chisei_tk_000073.html


ここで言いたいのは「国が推しているから正しい」という話ではない。制度や受け皿が整うほど、運用の摩擦が減る。2拠点生活は摩擦が減った分だけ続く。続く暮らしには、更新できる建築が刺さる。コンテナが持つ“規格とモジュール”の思想が、生活の変化と相性がいいのは、ここが理由だ。
さらに、二地域居住を「実装」まで進める枠組みとして、先導的プロジェクト(実装事業)の募集を行っている。これも、社会が“移動する暮らし”を一過性で終わらせない方向へ寄っている証拠として押さえておける。

https://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/kokudoseisaku_tk9_000058.html

千葉といっても下記のような地域でそれぞれの特徴がある。それらをまとめた地域別子記事が下記だ

外房(サーフ動線)編:


里山(薪・湿気)編:準備中(
いすみ・勝浦(民泊運用)編:準備中
館山(海近仕様)編:準備中(ここに子記事URLを挿入)

コンパクトな生活ギア
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「コンテナは安い箱」という誤解を捨てるところから千葉は始まる

千葉でよくある失敗は、最初に運用条件を決めないまま、形から入ることだ。見た目、床面積、窓の気持ちよさ。もちろん大事。でも2拠点生活は留守が多い。留守は、湿気の異常や設備トラブルへの気づきが遅れる。海が近いと塩害が乗る。台風や豪雨が来ると停電や浸水も現実になる。
つまり千葉では、建築の「性能」と「運用」が露骨に試される。コンテナは、設計が雑だと結果が早く出る。逆に言えば、プロが成立条件を押さえれば、工場品質と更新性を武器にして、かなり強い建築になる
IMCA_現代コンテナ建築研究所での順番はこうだ。
意匠 → の前に、運用条件。
運用条件 → を受けて、仕様とディテール。
仕様とディテール → が決まって初めて、デザインが自由になる。

千葉の設計条件 その1:留守運用と湿気(結露・カビ)


2拠点生活で一番厄介なのは、豪華さでも広さでもなく「留守中の湿気」だ。湿気は静かに家を壊す。カビ、臭い、金物の腐食、仕上げの剥離。コンテナは鉄の熱橋が生まれやすいので、断熱だけで押し切る設計は危険になりやすい。断熱・気密・換気・通気を一体で設計する必要がある。
ここは、嘘が許されない重大ポイントなので根拠を置く。住宅の24時間換気は、シックハウス対策として制度的に位置づけられている。国交省の資料で、住宅は換気回数0.5回/h以上の機械換気設備が必要、という説明が明記されている。

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/content/sickhouse-R4.pdf

さらに、結露の観点からも「24時間換気の電源は切らない」注意喚起が国総研(国土技術政策総合研究所)のページに明記されている。シックハウス対策によって始まった法規だが、今や建材にホルムアルデヒドを放出する建材などほぼなくなった。しかしこの24時間換気は「換気・通気」対策に効くのだ。



この2つは、千葉の2拠点生活でコンテナを成立させるときの“前提条件”になる。ここを軽視すると、どれだけ美しいデザインでも運用で崩れる。
実務として私が先に潰すのは、次の順番だ。
・熱橋を減らす(鉄部の取り合い、開口周り、床・天井ライン)
・断熱と通気層をセットで組む(壁体内の湿気の逃げ道を作る)
・換気経路を素直にする(給気→居室→排気)
・留守で回る運転を前提にする(メンテも含めて“回る設計”にする)
ここに未来要素を足すなら、遠隔監視だ。温湿度、換気運転、漏水、電力。見える化は、2拠点生活の不安を減らし、家を“置き去り”にしない。派手ではないが、最も効く未来だ。
具体的には商品名だが「ダイキンのカライエ」などはそれが可能になる商品だ。
───
https://www.nilim.go.jp/lab/hcg/htmldate/energy-saving/index.html

千葉の設計条件 その2:塩害と防錆(海近仕様の考え方)


千葉の計画では、海との距離が価値になる一方で、塩害が設計条件になる。ここでよくある間違いは「錆びない材料を選べば勝てる」という発想だ。現場はそんなに単純じゃない。重要なのは、材料名より「仕様の組み合わせ」と「ディテール」、そして「更新性」だ。
嘘が許されない根拠として、防食の基準的な整理は国交省資料が使える。機械工事塗装要領(案)・同解説は、金属被覆(溶融亜鉛めっき等)の説明や、防食の基本的整理を含む。
https://www.mlit.go.jp/common/001394772.pdf
ただし、繰り返すが“めっきか塗装か”の二択ではない。千葉で勝つのはディテールだ。特に海近は次の5点が効く。
・水が溜まる形を作らない(小さな水平が劣化の起点になる)
・閉鎖断面は水抜き・換気を持たせる(内部腐食は気づきにくい)
・異種金属接触(電食)のリスクを避ける
・接合部のシール・雨仕舞は更新前提で描く(“剥がせない納まり”は将来コストを爆増させる)
・点検・塗り替えのアクセスを設計に組み込む(美観維持は設計と運用で守る)
千葉の海は美しい。その美しさの近くで長く使うなら、錆びない幻想より、更新できる現実を選ぶ。これがプロの設計だ。

海や山を満喫する作り

千葉の設計条件 その3:ハザードは“怖がる”のではなく“被害の形を限定する”

千葉で土地を選ぶとき、景色に惚れるのは自然だ。でも惚れた後に現実を見る。洪水、内水、高潮、土砂。これらは恐怖ではなく情報で、設計条件に変換できる。
まず俯瞰の入口として、国土地理院のハザードマップポータル(国交省運営)は根拠として明確だ。

国土交通省のハザードマップへのリンク
https://disaportal.gsi.go.jp/
ここでやるべきことは「危ないからやめる」ではなく、「被害の形を限定する」こと。設計の要点は次の4つ。
・床レベルを上げる(高床化、基礎方式の選定)
・設備レベルを上げる(分電盤、給湯、通信、室外機)
・浸水しても復旧しやすい材料と点検性(1階仕様、点検口)
・排水経路と逆流対策(敷地内の水の逃げ道)
コンテナは、設備をまとめやすい。床レベルも設計で操作しやすい。だからハザードに対して“やれることが多い建築”になる。ここは、千葉でコンテナが強い理由のひとつだ。

千葉の設計条件 その4:搬入計画(物流が設計の一部)

運べるコンテナハウス

7. 千葉で効くデザインは、面積ではなく「居場所の編集」

未来要素:コンテナは「増築」より「アップデート」に向く

まとめ:千葉のコンテナは「置き物」ではなく「走る建築」

2拠点生活の非日常性

FAQ(親記事版:子記事へ送るための“入口”)

根拠URL(親記事で使った重大事項のみ、まとめ) 

記事の監修者

大屋和彦

大屋和彦

九州大学 芸術工学部卒 芸術工学士
早稲田大学芸術学校 建築都市設計科中退。
建築コンサルタント、アートディレクター、アーティスト、デザイナー。

1995年よりコンテナハウスの研究を開始。以後30年間にわたり、住宅、商業施設、ホテル、福祉施設など300件以上のプロジェクトに携わる。特にホテルをはじめとする宿泊施設型コンテナハウスの設計・施工に圧倒的な実績を誇る。商業施設、住宅分野にも多数の実績があり、コンテナハウス建築業界で幅広く活躍している。