コンテナハウスコラム

四半世紀以上にわたり現場に立ち
研究し続けてきた私たちだから語れる
リアルな“コンテナハウスの深堀り話”です。

更新日:2026.02.19

コンテナハウスでセルフビルドする方法 | 保存版

2拠点生活にぴったりの40FEETコンテナ

二拠点居住に効く木造・鋼製コンテナの選び方と本体800万からの現実解

コンテナハウスでセルフビルド。言葉の響きは自由そのものなのに、現実に踏み込むと一気に難しくなる。
「建築として成立するの?」
「雨漏りと結露が怖い」
「海の近くは錆びるって聞く」
「二拠点生活だから、維持管理がラクで、使い方の自由度が欲しい」
「そもそも、木造と鋼製、どっちが向いてる?」
このページは、その全部を一本にまとめて、セルフビルドを“趣味”ではなく“成立する建築”として完成させるための柱記事です。狙うのは、千葉・茨城・埼玉など関東圏の二拠点居住層、そしてコンテナ建築が定着している沖縄・八重山など離島建築の層。方向性は違っても、勝ち筋は同じです。
結論から言います。
セルフビルドは根性勝負ではありません。線引き勝負です。
構造・法規・外皮(防水、断熱、結露、耐久)を設計で固める。そこを外さない限り、仕上げ・家具・収納・デッキ・照明は、あなたの手で自由に作れる。安全の骨格の上で、暮らしの表現を踊らせる。これが最短の成功ルートです。
そして今日の核心をもう一つ。
木造コンテナと鋼製コンテナは、優劣ではなく方向性で選ぶ。
木造を主役に語りながら、鋼製も同格で比較し、あなたが迷子にならない判断軸を用意します。

木造コンテナハウス20FEETx2台
木造20FEETコンテナ 2台を使った物件


まず押さえる:セルフビルドの勝敗は「建築として成立するか」で決まる
コンテナが絡むと、つい「置けばいい」と思われがちです。でも、二拠点居住で長く使うなら、重要なのは“成立していること”。成立していれば、運用の自由度、保険、将来の売却や用途変更の議論が圧倒的にラクになります。
建築基準法は、建築物を「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱又は壁を有するもの」等として定義しています。
また、建築確認・検査制度は、計画が基準に適合しているか、工事が図書どおりかを確認し、完了検査などで使用開始に至る流れを前提に組まれています。(建築確認済証・検査済証を勝ち得ることが必勝ポイントです)
ここが大事な理由は、セルフビルドの現場では「固定の仕方」「用途」「規模」「設備の中身」で扱いが変わり、後から戻れないポイントが出るからです。だから最初にルートを決めます。
成立ルートA:確認申請〜完了検査まで含め、住宅・宿泊・店舗として正面から成立させる
成立ルートB:条件付きで、確認が不要または簡略な枠で成立させる(地域・計画条件で難度が上がる)
成立ルートC:実験的・簡易型として合意形成した上で行う(リスクと制約を理解して選ぶ)
IMCAが軸に据えるのはルートA。二拠点居住は、暮らし方が柔軟なぶん、建築側は“筋の通った成立”が効いてきます。

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2. 二拠点居住でコンテナが刺さる理由:時間の密度が上がる「基地」になる
二拠点居住は、人生の時間配分を再設計する行為です。国土交通省も「二地域居住」を、主な生活拠点とは別の特定地域に生活拠点を設ける暮らし方として整理し、推進施策を進めています。
ここで、家に求める価値が変わります。
・短い滞在でも“すぐ自分のモード”に入れる
・メンテしやすい(壊れにくい、点検しやすい、更新しやすい)
・趣味や仕事の道具がそのまま“基地化”できる
・将来、使い方が変わってもアップデートできる
コンテナ建築は、この要求に相性がいい。合理的で、変化に強く、暮らしの装備を積み上げられる。つまり二拠点居住において、コンテナは「家」より「基地」に向きます。
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3. 木造コンテナと鋼製コンテナを同格に比較:違うのは「得意な勝ち方」
ここからが判断軸。主役は木造コンテナに置きます。理由はシンプルで、セルフビルドの“触れる範囲”が広いから。でも鋼製コンテナには鋼製の勝ち方がある。どちらも同格です。
木造コンテナ(主役)
・加工性が高い:セルフで触れる領域が広い
・断熱・結露の設計自由度が高い:外皮を合理的に組みやすい
・将来変更に強い:間仕切り、造作、設備更新がラク
・地域再現性が高い:協力会社で品質を揃えやすい
二拠点居住に必要な「育てる家」「更新できる家」に強い。
鋼製コンテナ(同格の選択肢)
・骨格が強い:構造の安心、長寿命化のベースが作りやすい
・据付と移送の合理性:計画次第でスピードが出る
・構造表現が面白い:大開口、キャンチ、積層などの“コンテナらしさ”が出る
過酷環境でも仕様を固めれば長期戦に強い。
迷ったら、あなたの方向性で選びます。
・内装を育てたい/将来変えたい/自分の手を多く入れたい → 木造が刺さる
・骨格の強さ/構造表現/据付の合理性を優先したい → 鋼製が刺さる
・両方欲しい → 骨格は強く、仕上げは自由、という設計に寄せる
(内部リンク差し込み指示:この段落の直後)
・子記事リンク:木造と鋼製、どっちを選ぶ?二拠点居住向け判断チャート
・子記事リンク:関東(湿気・寒暖差)と沖縄(塩害・台風)での最適仕様の違い
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4. セルフビルド最大の落とし穴:雨と湿気(断熱・結露)を設計しないと負ける
セルフビルドの失敗で一番痛いのは、見た目じゃありません。内部で進む劣化です。
典型は結露。断熱を厚くしたのにカビる。壁の中が濡れる。気づいた時には遅い。
建築研究所系の技術資料では、断熱層の外側に通気層を設けること、通気層が排湿・排水・排熱に効くこと、防湿措置をレベルに応じて施工することなどが具体的に示されています。
国交省の省エネ教材でも、繊維系断熱材は水蒸気を通しやすく、室内側の防湿層が必要であること、外側の構成とのセットで考えることが整理されています。
ここはハッキリ言います。
断熱=厚み、ではない。
断熱=湿気の設計、です。
木造コンテナは、この「湿気の設計」を素直に組みやすい。鋼製コンテナは、熱橋や表面温度の扱いに注意が必要になり、設計の精度がより要求される。だからこそ、どちらを選んでも外皮は最初に固める。これが勝ち筋です。

aelf_buildの世界観
セルフビルド中の室内


5. 海・離島での現実:塩害は“根性”じゃ止まらない。仕様で止める
沖縄や八重山でコンテナが定着しているのは、使い方が合理的だから。でも同時に、塩害・強風・台風という現実もある。
外装鋼板の塩害腐食は、海岸からの距離だけでなく、風向・風速・地形・周辺建物など地域性に強く依存すると整理されています。
つまり「海が近いから錆びる」で終わりではなく、「どんな風が、どう当たるか」を設計条件に入れる必要がある。
鋼製コンテナは、防錆仕様が命綱になります。溶融亜鉛めっきは犠牲防食作用を含む耐食の考え方が整理されており、傷が生じた場合も周囲の亜鉛が鉄を保護するという原理が示されています。
木造コンテナでも、金物・ビス・接合部の防錆、外装の通気層、メンテ計画は必須です。木だから安心、ではなく、木は木で“水と湿気”が敵になる。
離島建築のコツは一つ。
「初期仕様で勝つ」こと。
二拠点居住は滞在時間が限られるぶん、後から頻繁に直せない。だから最初に“壊れにくい”を買う。ここで差がつきます。


6. セルフビルドの線引き:やっていい領域/やってはいけない領域
成功者は例外なく、線引きがうまい。セルフビルドは「全部自分で」ではなく、「自分が触る場所を設計で守る」です。
やってはいけない(または監修必須)
・構造に関わる切断、開口変更、補強の独断
・屋根・サッシまわりの雨仕舞を自己流でやる
・結露設計なしで断熱を貼る(内部劣化が進む)
・設備貫通を後追いで増やす(防水が破綻しやすい)
・法令や資格が必要な範囲の越境
セルフビルドで最も楽しく、成果が大きい
・床、壁、天井の下地と仕上げ
・造作家具、棚、ベッド、カウンター
・塗装、左官、タイル、照明計画
・デッキ、外構、居場所づくり
木造コンテナは後者の伸びしろが大きい。鋼製コンテナは骨格の強さをベースに、後者を“空間として映える”方向に伸ばせる。だから、どちらでも基地は育つ。あなたの暮らし方に合わせて勝ち方を選べばいい。

SELF_BUILDの室内
SELF BUILDの室内

7. 本体800万からの現実解:費用は「削る」より「配分を変える」
ここは問い合わせに直結するので、率直に書きます。
本体800万から。これはスタートラインとして現実的です。ただし、総額は敷地条件(基礎、搬入、インフラ)、仕様(塩害・断熱・建具)、用途(住居/宿泊)で動きます。
セルフビルドで下がりやすい領域
・内装仕上げ(床・壁・天井)
・造作家具
・デッキ、外構の一部
・塗装、仕上げの手間
下げにくい(下げると危険になりやすい)
・躯体(構造)
・外皮の核心(雨仕舞、断熱、結露)
・運搬、据付、基礎
・設備機器の基本部分
・塩害地域の防錆・金物仕様
だからセルフビルドの本質は「値切る」ではない。
命綱に投資して、居心地の表現に自分の時間を入れる。
この交換で、同じ予算でも“自分の基地”の濃度が上がります。ロケンロールみたいに、同じ3コードでも人を震わせるやつです。

SELF BUILDの室内


8. SOP化(工程の標準化)で、セルフビルドは再現可能になる
セルフビルドは勢いで走ると止まります。材料が届かない。雨が降る。寸法が合わない。疲弊する。
だから工程をSOP化します。順番を設計する。
・用途確定(住む/貸す/商う)
・敷地条件整理(法規、地盤、風、塩害、積雪)
・基本計画と概算(面積、間取り、設備、予算)
・外皮仕様確定(防水、断熱、結露、耐久)
・申請ルート確定(確認申請の要否、検査の流れ)
・基礎/据付計画(搬入経路まで)
・躯体(工場)→搬入→据付
・外皮を先に固める(雨に勝つ状態を先に作る)
・設備荒配管→下地→仕上げ
・検査→引渡し→未完を育てる


9. 最後に:無料の計画診断30分で「成立ルート」と「概算のたたき台」を作る
ここまで読んで「やりたい。でも、うちの条件だとどれが正解?」となった人へ。最初の一歩はこれで十分です。
無料の計画診断30分でやること
・二拠点居住の使い方を整理(滞在頻度、人数、仕事、趣味)
・敷地条件を整理(関東/沖縄離島、風・塩害・湿気・搬入)
・木造主役で、鋼製も同格比較し、最適案を絞る
・本体800万からの概算たたき台を作る(削る所/守る所の線引きまで)
・次のアクション(現地確認、基本計画、見積ステップ)を提示
問い合わせは「売り込み」じゃなくて、「迷子を終わらせる作業」です。二拠点居住の基地づくり、最初に筋を通してしまいましょう。

セルフビルドのデッキ


Q&A(スニペット狙い/20本。必要なら30本まで増やせます)
Q1. コンテナハウスはセルフビルドできますか?
A. 可能です。成功の鍵は「構造・法規・外皮は設計で固め、内装やデッキで自由に遊ぶ」という線引きです。
Q2. 二拠点居住にコンテナが向く理由は?
A. 短い滞在でも“基地”として立ち上がりが速く、更新・増設・メンテ計画を合理化しやすいからです。二地域居住の考え方自体も国が整理しています。
Q3. 建築確認は必要ですか?
A. 条件次第ですが、長期運用(住居・宿泊・店舗)を狙うなら、確認申請〜検査の流れに乗せるのが安全です。
Q4. 建築物の扱いはどう決まる?
A. 建築基準法では、土地に定着し屋根・柱または壁を有するもの等を建築物として整理しています。
Q5. 木造コンテナと鋼製コンテナ、どっちがセルフビルド向き?
A. セルフで触れる領域の広さなら木造が強い。一方、骨格の強さ・構造表現・据付合理性なら鋼製が強い。方向性で選びます。
Q6. 木造コンテナを主役にするメリットは?
A. 加工性、断熱・結露設計の自由度、将来変更のしやすさが大きく、セルフビルドとの相性が良いからです。
Q7. 鋼製コンテナのメリットは?
A. 骨格の強さ、耐久、据付合理性、構造表現の自由度です。仕様を固めれば長期戦に強い。
Q8. 断熱は厚ければ厚いほど良い?
A. 厚みだけでは勝てません。防湿・通気など湿気の流れをセットで設計する必要があります。
Q9. 結露対策の基本は?
A. 室内側の防湿、外側の透湿・防風、通気層の確保などを、壁・屋根で一貫して組むことです。
Q10. 海辺や離島は鋼製だと不利?
A. 不利ではなく「仕様勝負」です。塩害腐食は海岸距離だけでなく風や地形に依存するため、条件を設計に入れます。
Q11. 溶融亜鉛めっきは何が強い?
A. 犠牲防食作用など、傷が生じても鉄を保護する原理が整理されています。
Q12. 木造コンテナなら塩害は安心?
A. いいえ。金物・ビス・接合部の防錆、外装通気、メンテ計画が重要です。
Q13. セルフビルドでやってはいけないことは?
A. 構造をいじる、雨仕舞を自己流でやる、結露設計なしに断熱する、設備貫通を後追いで増やす、などです。
Q14. セルフビルドで効果が大きい作業は?
A. 内装仕上げ、造作家具、デッキ、照明計画、外構など“手間比率が高い領域”です。
Q15. 本体800万からって、どこまで入る?
A. 仕様と範囲定義によります。外皮・設備・基礎・搬入条件で総額が動くので、最初に線引きして概算を作るのが早いです。
Q16. 二拠点居住で間取りのコツは?
A. 収納、ワークスペース、メンテ導線、短期滞在でも整う“戻しやすさ”を優先すると失敗しません。
Q17. 工期はどれくらい?
A. 規模・仕様・セルフ範囲・作業日数で大きく変わります。工程をSOP化すると読めるようになります。
Q18. まず何から始めればいい?
A. 用途、地域、規模、セルフ範囲、開始時期。この5点を整理し、成立ルートと概算を立ち上げます。
Q19. 相談すると何がわかる?
A. 木造主役で鋼製も同格比較し、あなたの条件で勝てる仕様と概算のたたき台ができます。
Q20. 相談は有料?
A. 計画診断30分と概算たたき台は無料の導線として設計できます。

エビデンスへのリンク
国交省:建築確認検査制度の概要(PDF)
https://www.mlit.go.jp/common/001279404.pdf

国交省:建築確認・検査制度の概要(PDF)
https://www.mlit.go.jp/common/000109659.pdf

e-Gov:建築基準法(本文)
https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201

国交省:建築物用途分類(建築物の定義を含むPDF)
https://www.mlit.go.jp/statistics/details/content/001846694.pdf

建築研究所系:自立循環型住宅設計技術資料 第2部(通気層・防湿など)(PDF)
https://www.kenken.go.jp/japanese/contents/publications/data/119/3.pdf

国交省:省エネ設計・施工編 全国版(防湿層など)(PDF)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/shoenehou_assets/img/library/r2text_zenkoku.pdf

国交省:二地域居住等の最新動向(定義等)(PDF)
https://www.mlit.go.jp/2chiiki/files/23112802kokudo.pdf

国交省:地方公共団体向け 二地域居住等(定義等)(PDF)
https://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/chisei/content/001491148.pdf

日本溶融亜鉛鍍金協会:溶融亜鉛めっきの耐食性(PDF)
https://www.jlzda.gr.jp/mekki/pdf/youyuu.pdf

日本金属屋根協会系:外装鋼板における塩害腐食の特徴(PDF)
https://www.kinzoku-yane.or.jp/technical/pdf/no224.pdf

次の作業
この柱記事の内部リンク
1)二拠点居住×コンテナハウスの間取り(収納・ワーク・メンテ導線)準備中
2)木造コンテナのセルフビルド手順(線引きチェックリスト付き)準備中
3)鋼製コンテナの防錆仕様と塩害設計(沖縄・八重山向け)準備中
4)建築確認の判断フロー(関東/沖縄の実務目線)準備中
5)断熱・結露の図解(壁と屋根の標準断面案まで)準備中

記事の監修者

大屋和彦

大屋和彦

九州大学 芸術工学部卒 芸術工学士
早稲田大学芸術学校 建築都市設計科中退。
建築コンサルタント、アートディレクター、アーティスト、デザイナー。

1995年よりコンテナハウスの研究を開始。以後30年間にわたり、住宅、商業施設、ホテル、福祉施設など300件以上のプロジェクトに携わる。特にホテルをはじめとする宿泊施設型コンテナハウスの設計・施工に圧倒的な実績を誇る。商業施設、住宅分野にも多数の実績があり、コンテナハウス建築業界で幅広く活躍している。