コンテナハウスコラム
更新日:2025.01.19
コンテナハウスのデメリット
コンテナハウスはなぜ凄い
コンテナハウスのメリット、デメリットを考える
世間の方々は物事を「比較」して、優れている、劣っているというようなジャッジを下すのも大好き、こんなところが素敵!、でもこんなところはちょっと残念などとその特徴を整理するのも大好きです。
今日はそんなみなさんのためにそれらの比較論をお手伝いしようと思います(爆)
ただ、その比較の前に理解しておいて欲しいことがあります。
コンテナハウス、コンテナを利用して建築物とするという事にとても魅力を感じる方々が「世の中に一定数」いらっしゃるという事実がまず一つです。
もくじ
なぜコンテナハウスが気になるの?
コンテナにどんな魅力を感じているのでしょう。
1.世界中を巡るその箱のイメージの裏に「世界的視野」を感じるから大好き
2.港のどこか「ギャング映画」に出てくるような「怪しさ」イメージとかぶっていて、そのアヤシサが好き
3.誰が発明したか知らないけど(マルコム・マクリーンです)この世界を変えた画期的箱が好き
4.インダストリアルなデザインが好き
5.災害が多い昨今「強そう」だし、安心感がある。
6.上記のような色々なイメージを含んだコンテナのシニフィアンが好き
ま、好きな理由は色々でしょうが、一般的な木造住宅やRCの住宅、鉄骨の住宅、あるいは別に「住宅」でなくてもいいですが、コンテナハウスの場合とりあえず「なんだかコンテナに惹かれる」「コンテナが好き」「コンテナが気になる」から始まるという他の工法にはない「惹かれるもの」「推されるもの」という特徴があります。
それはね、あなたもそうなんです。とにかくまずは「気になっている存在」なのです。気になる存在なので、他の一般的工法と比べてどうなの?どんな特徴や欠点があるの?という話になるのでしょう。
では、一般の建築と比較して見ましょう。」

比較論の始まり始まり
1.圧倒的な数の質問は「断熱は大丈夫?」という質問。
この質問は最も多いですが最もシロウト的です。ええ、気になるでしょうとも。だって「鉄板丸出し」ですものね。
断熱は「理論」通り出来ます。もっともプリミティブな物理的な計算で計算もできますし、効果もその通りになります。鉄骨なので「熱橋(ねっきょう)」(鉄の構造体を伝わって断熱をすり抜ける事)に気をつけなければなりませんが、理論通り止められます。当社は「発泡ウレタン吹付」という手段を使う事が多いです。結露も防げるので断熱材および元々の基材(鉄骨)の痛みも少ないからです。
要は「断熱工事」をすれば断熱は大丈夫ですので、ここは他の工法の問題と変わりません」。
2.コンテナハウスは建築物になりますか?という問い。
はい建築物です。これはもう20年くらいも前に国土交通省が結論を出しています。
固定的に使用し、設備系(給排水電気設備)を繋ぎこみ人が中に入って使用するものは建築物。という結論が出されていますので、コンテナハウスは建築物です。
一方で「ナンバープレート」をつけて」「車検」を通しているシャーシーにのせたコンテナハウスは「建築物」ではなく「車両」のジャンルになります。
細かな規定がありますので興味があるなら行政に確認してください。うちに仕事を頼む方であればウチに聞いてもらっても結構ですが、仕事の依頼なしなら、うざいので行政にお聞きください(爆)。

3.税金はどうなりますか?かからないですよね。という間違い。
上記の結果として「建築物」の場合は固定資産税はかかります。車両で行く場合は「車両としての重量税その他」がかかります。普通は建築物なので「固定資産税」がかかります。動かせますが、カタチ上は不動産です。
コンテナハウスは錆びませんか?メンテ次第でしょうという回答。
はい、ほおっておけばやがてサビは進行します。これは「メンテナンス」次第で大きく左右されます。当社のコンテナハウスは一般的立地と、海そばなどの「塩害地域立地」で明確に仕様を分けています。一般的立地であれば塗装のメンテナンスをすべき10年くらいの間に一度錆が発生している部分を防錆塗料でタッチアップ程度で大丈夫です。
塩害地域では元々「溶融亜鉛メッキ」の構造材で対応させてただくか、圧倒的な強さの「塗料」ーポリウレア樹脂のコーティングという方法でサビを防止しています。
3年スパンくらいでチェックして、錆部分があればそこを防錆塗料でタッチアップするなどのメンテナンスはしたほうがいいでしょう。海に浮かぶ「船」も基本、鉄でできていますが、5年スパンくらいの塗装の塗り替えで50年くらいの寿命は持っています。
メンテナンスをきちんとしていればRCなどと同じように50年くらいの寿命は確保できるという事です。
コンテナハウスは安い。というウワサは本当ですか?という問いかけ。
安くなる理由はあまり見つかりません。あるとすれば「コンテナそのもののビジュアル」であれば、外壁の仕上げ材分が少し安くなるという事実はあるでしょう。あとは「中古コンテナだったら安い」という言い方があるのでしょうが、改造するための加工費、コンプライアンスをクリアさせるための構造強化などを考えると新造建築用コンテナと価格は変わらなくなります。
あとは「断熱工事」「内装工事」「電気設備工事」「給排水設備工事」「基礎工事」など、あなたが電気はいらないなど、いらないものがたくさんあれば安くなることも考えられますが、普通に装備するのならば、普通にコストがかかりますから、安い理由はない(他の工法と変わらない)という事になります。
「コンテナハウスは安い」と誰かがそう言っているのなら根も歯もない「嘘」で、重量鉄骨のジャンルになりますが、「在来工法の重量鉄骨造」よりは少し安い程度で(工場生産で効率が良いから)、昨今の建設物価から考えると100万/坪を切ることはなかなか難しいですね(2025年上期)。特にコンテナハウスは小ぶりなものが多いので、小さくても設備的なものは「いるものはいる」ので坪単価的には決して安くはなりません。
当社の記録でも倉庫のような何もない物件で80万/坪、ちょっと作品主義的な収まりで作ると200万/坪超えるようなことも珍しくありません。
そんな建設物価高騰の折、ローコストに挑戦できるシステムとして「MIKAN(未完)HOUSE」というセルフビルド部分を残した「企画商品」も出していますので参照ください。建築物価は「人件費比率」が大きいので、「セルフビルド」できるところがあれば、確かに安くなります。楽しみながら安くできるのであれば、それは挑戦したい部分ですね。
