コンテナハウスコラム

更新日:2025.03.01

コンテナハウスのデザイン作業

コンテナハウスの設計から出来上がるまで

多くのコンテナハウス屋さんたちは、建築の設計のプロというのは少なくて、コンテナならなんとかなるかなという感じで取り組んでらっしゃる方も多いです。ただその事を非難したりはしません。一緒にお客さんと考え、一緒になってコンテナを改造し、一緒になって作ってもお互い楽しく、できあがれば達成感に浸れるでしょう。

一方、ところが当社は悲しいことに、「プロフェッショナル」としてこの業を営んでいますので、一緒に楽しむというより、一緒に考えるのは全然OKなのですが、結果として「おー、素晴らしい!ありがとうあなたたちに頼んで良かった」と言っていただけることを喜びとしているわけです。

したがってコンテナハウスを作り上げるためには「一定のプロセス」というものがあり、それをベースにして、お客さん次第でプロセスに修正を加えるということをします。そんなわけで、コンテナハウスを設計・建築する際の基本的なプロセスを紹介してみたいと思います。

計画・コンセプト設計

まず、どのようなコンテナハウスにしたいのか、目的やデザインの方向性を決めます。お客様の要望をきちんと聞くということです。あまり先入観を持って聞かないように、ニュートラルな感じでお聞きします。

✔ 主な検討ポイント • 目的の明確化:住居、別荘、オフィス、カフェ、宿泊施設など

• 立地の確認:地形・景観・日当たり・風通し・建築規制など

• スタイルの選定:モダン、インダストリアル、和モダンなど

• サイズとレイアウト:シングルコンテナ or 複数コンテナの組み合わせ

• 予算設定:施工費、設備費、輸送・設置費など

基本設計(間取り・配置の決定)

基本的な要素を加えた設計図を作成し、コンテナの配置や間取りを決めます。その用途や敷地に合ったプランを考えるために色々な実例を参考にしたりしますが、最後はオリジナルの案を出すのは当たり前です。

✔ 主な検討ポイント

• コンテナのサイズ(20ft, 40ft, ハイキューブなど)

• コンテナの組み合わせ方(単体、L字型、T字型、二階建てなど)

• 開口部の設計(窓・ドアの位置やサイズ)

• 耐震性・耐風性の確保(補強が必要かどうか)

• 屋外スペースとの連携(テラス、デッキなど)

👉 3Dモデリングを活用すると、完成イメージをつかみやすくなります。
今まではスチレンボードの模型などを作っていました。これからは3Dプリンターなども活躍することでしょう。

構造設計・建築基準の確認 

日本ではコンテナハウスも建築基準法の対象となるため、以下のポイントをチェック。

✔ 必須の確認事項 • 基礎工事の計画(地盤調査、基礎の種類)

• 建築確認申請の準備(必要書類、自治体への提出)

• 耐火・断熱・結露対策(断熱材、換気システムの導入)

• 電気・給排水設備の設計

施工・製作 

実際のコンテナの加工と施工を行います。

✔ 施工プロセス

1. コンテナの調達(新品 or 中古、海外輸送 or 国内調達)

2. 開口部の加工(窓・ドアの切り抜き)

3. 断熱・防音施工(スプレーウレタン、二重窓など)

4. 内装・設備工事(床・壁・天井、電気・水道・空調)

5. 外装の仕上げ(塗装、防水加工)

6. 設置・固定(クレーン搬入、基礎固定)

5. 仕上げ・インテリアデザイン

コンテナの特性を活かしながら、内装を仕上げていきます。

✔ デザインの工夫 • 開放感を出す:大きな窓、吹き抜け、スキップフロア

• 素材の統一感:木材+スチール、コンクリート+ガラスなど

• 収納の工夫:壁面収納、折りたたみ家具で空間を有効活用

• エコ設備:ソーラーパネル、雨水利用システムなど

完成・引き渡し 

最終チェックを行い、完成したコンテナハウスを引き渡します。

✔ 最終チェックポイント • 設備の動作確認(水道・電気・空調)

• 断熱・防水・結露の確認

• 内装・外装の仕上がり確認

運用・メンテナンス 

長く快適に使うため、定期的なメンテナンスが必要です。

✔ メンテナンス項目 • 防錆処理(特に接合部や開口部)

• 塗装の補修(紫外線・雨風対策)

• 断熱材の劣化チェック

• 配管・電気設備の点検

まとめ

コンテナハウスのデザインプロセスは、 計画 → 設計 → 施工 → 仕上げ → 引き渡し → メンテナンス という流れで進みます。

目的に応じて設計を工夫することで、快適でオリジナリティのある住まいを実現できます!🏡✨