コンテナハウスコラム
四半世紀以上にわたり現場に立ち
研究し続けてきた私たちだから語れる
リアルな“コンテナハウスの深堀り話”です。
更新日:2025.07.24
コンテナCAFE開業Coach50連載
CAFE_コンテナ開業のためのコーチからの50の手紙_1/50
コーチング第1章・基礎編001
ファーストイメージはあなた自身!大切にしよう
もくじ
■「私のカフェ」──その最初の情景に宿るもの
あなたの頭の中にある「いつか開いてみたい、自分のカフェ」。
思い描くだけで少し心が躍るそのイメージこそ、あなた自身の個性が最初に芽吹いた“原風景”です。
その風景に、名前はついていますか?
壁の色は?照明は?香りは?窓から入る光の具合はどうでしょう。
きっと、はっきりとはしていなくても、なんとなく浮かぶ空気感や居心地のよさ、そして「そこにいる自分」の姿があるはずです。
それが、あなたのファーストイメージです。
私はこの言葉を、あなたの中で最初に生まれたカフェ像を表すために使っています。
知識も経験もまだ不十分な段階かもしれません。
でもその未完成なままの「私のカフェ」は、あなたの感性がまっすぐに描いた、原石のようなイメージなんです。
■最初のイメージは、決して未熟なものではない
ここで、多くの人が誤解してしまいます。
「まだ素人だから、こんなイメージはきっと役に立たない」と。
「どうせ後で全部プロに任せるし、形になんてならないから」と。
でも、そう思って、簡単に手放してしまうには、あまりにも惜しい。
なぜならそのファーストイメージには、あなたが何を心地よいと感じ、どんな風景に幸福を感じるかという、とても大切な感性の核が詰まっているからです。
確かに、これから学ぶことや経験することは、山ほどあります。
そして学んでいく中で、初めのイメージは「現実的ではない」と思えることも出てくるでしょう。
しかし、だからといって原点をなかったことにしてはいけないのです。
むしろそのイメージこそが、他人には出せない“あなただけの魅力”を形づくっていく、大切な種になるのです。

■カフェは“あなた”で勝負する時代
今、カフェ業界はかつてのように「とにかくおしゃれであればいい」「価格が安ければいい」だけでは通用しなくなっています。
むしろ、“誰がやっているか”、**“そこにどんな想いが込められているか”**が、以前よりもずっと重視されるようになってきています。
つまり、「そのカフェを開いた人の顔が見えるかどうか」。
その意味でも、ファーストイメージはあなたそのもの。
イメージを残すということは、自分の軸を忘れずに進むことでもあるのです。
■知識を学ぶことで個性は消えてしまう?
このコーチングサイトでは、これからたくさんの「知識」や「ノウハウ」をお伝えしていきます。
それらはもちろん必要な情報ですし、あなたを一歩一歩成功へと近づけるために欠かせないものです。
でも気をつけなければならないことがあります。
それは、知識を学びすぎるあまり、あなたが最初に持っていたカフェのイメージを見失ってしまうことです。
新たな知恵を得ていくと、人は自然と「正解」を求め始めます。
「これは間違っているのでは?」「もっと良い方法があるかも」と、自分の感性を疑い始めてしまうのです。
でも、正解なんてありません。
あなたのカフェにとっての「正解」は、あなた自身の中にしかないのです。
■“教える”より“引き出す”コーチング
この講座のスタンスは「ティーチング(教える)」ではなく、「コーチング(引き出す)」です。
知識を与えることが目的ではありません。
あなたの中に眠っている“あなたらしさ”を、一緒に探し出して、磨いて、形にしていく。それが私の役割です。
ティーチングでは、どうしても画一的な答えに誘導してしまう。
けれど、コーチングは違います。
あなたの心に芽生えた、まだ言葉になっていない「何か」を、
「カフェ」という形にまで育てていく、その伴走者でありたいと思っています。
■ファーストイメージを忘れないために
これからあなたのカフェ構想は、どんどんブラッシュアップされていきます。
もっと素敵に、もっと現実的に、もっと成功に近づくように。
でも、その過程で「最初のきらめき」を見失っては、もったいない。
ですから、ぜひ一つおすすめがあります。
あなたが今持っているファーストイメージを、ぜひ紙に書き出してみてください。
それは言葉でもいいし、絵でもいい。箇条書きでも詩のようでも構いません。
「こんな椅子を置きたい」
「木のぬくもりを感じる店にしたい」
「静かな音楽とコーヒーの香りに包まれた空間がいい」
──そんな、素朴な想いでいいんです。
あとから読み返すと、そのイメージが自分にしか描けない風景であったことに気づくはずです。

■想像を、もう一歩だけ深く
あなたの頭の中にあるカフェ。
そのカフェは、どんな人たちに来てほしい店ですか?
どんな商品を出し、どんな言葉でお客様とやりとりしているでしょう?
どんな一日が流れていて、あなたはその中でどんな気持ちで働いているのでしょうか。
たとえ今はまだ具体的でなくても構いません。
けれど、今の自分のイメージを少しずつ、深く掘ってみてください。
その中から、後に店舗デザインや商品構成、スタッフの接客スタイルといった**「設計の核」**が見つかることも多いのです。
■コーチからのメッセージ
あなたが持っている“カフェをやりたい”というその思い。
それは、立派なひとつの創造です。
世の中にまだないカフェが、あなたの中にだけ芽生えているのですから。
それを形にするための旅が、いま、始まりました。
焦らずに。人と比べずに。
あなたのカフェは、あなたにしか作れない唯一無二のもの。
そして私は、あなたがその唯一無二のカフェを作るための、影の助っ人として、
ときに後ろから、ときに隣から、そっと背中を押していきます。
◆今日のコーチング課題 001
「自分のカフェイメージ」を書き出してみよう。
店の名前をつけるとしたら?
どんな場所に?(海沿い?森の中?街角?)
どんな時間が流れていて、どんなお客様が来る?
どんな音楽が流れている?
自分はカウンターに立っている? それとも…?
あなたの中の「ファーストイメージ」を、できるだけ自由に書いてみてください。
それは、あなたが進むべきコンパスであり、これからの旅路に必要な地図でもあるのです。

記事の監修者

大屋和彦
九州大学 芸術工学部卒 芸術工学士
早稲田大学芸術学校 建築都市設計科中退。
建築コンサルタント、アートディレクター、アーティスト、デザイナー。
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