コンテナハウスコラム
四半世紀以上にわたり現場に立ち
研究し続けてきた私たちだから語れる
リアルな“コンテナハウスの深堀り話”です。
更新日:2025.08.03
コンテナハウスのデザイン
コンテナハウスの知識(初級)
コンテナハウスの豆知識
風呂・トイレから考える「コンテナハウスで暮らす」という未来
新しい住まいのかたち、その入口には“水回り”がある
「コンテナハウスって、風呂やトイレって付けられるんですか?」
そんな質問を、私たちは何度も受けてきました。
初めて聞かれたときは、正直こう思いました。
「そんなこと聞いてどうするの?」
もっと面白いところがたくさんあるのに、なぜ一番地味なところを?──と。
でも今ではわかります。これはめちゃくちゃ大事な質問だった。
ということで、今日はそこから始めましょう。
風呂・トイレという小さな入口から、新しい「住まいの未来」へ。
さあ、コンテナ住宅という素晴らしい世界をご案内します。
もくじ
■ なぜ、風呂とトイレが聞かれるのか?──“暮らせるか”の象徴だから
住宅という言葉を聞いたとき、多くの人がまず思い浮かべるのは「リビング」でも「外観」でもありません。
「風呂」「トイレ」「キッチン」。この3つが揃って、はじめてそれは「暮らせる空間」になる。

つまり、
「風呂トイレ付きのコンテナハウスって可能ですか?」
この問いの本質は、
「コンテナハウスって、ちゃんと家になるの?」
ということなんです。
それは単なる設備の話ではなく、生活のリアリティを問う声なんですね。
■ できます。しかも、かなり美しく。
答えは明快です。
✅ コンテナハウスに風呂・トイレを付けることは可能です。
✅ 建築基準法も、構造面も、すべてクリアできます。
✅ むしろ、小さな空間だからこそ洗練された水回りが実現できます。
私たちが採用しているのは、輸送用中古コンテナではなく、『建築用に新たに製造されたコンテナ=「建築用新造コンテナ」』です。
これは断熱・防水・構造強度など、住宅としての性能を高いレベルで備えた『“正式な家づくりの部材”』。

内部には以下のような設計が可能です。
バス・トイレ一体型の省スペースユニット
タンクレストイレとシャワーブースの組み合わせ
バリアフリー対応の水回り導線
洗面+独立トイレ+シャワールームの分離式も可
もちろん、給排水・電気設備もすべて正規施工。
「使える」だけでなく「心地よく、長く使える」ように設計しています。

■ 水回りがあるということ=自立した“暮らしの基地”になるということ
風呂とトイレがある。それだけで、その空間は“暮らせる場所”になります。
それは裏を返せば、「どこでも拠点化できる」という強み。
災害時の仮設住宅として
地方移住や2拠点生活の拠点として
小商い付き住宅や店舗兼住居として
ソロライフ向けのミニマル住宅として
【PHOTO_04:自然の中に設置された1棟独立型コンテナハウス】
風呂・トイレがないコンテナはただの「箱」にすぎません。
しかし、水回りが組み込まれた瞬間、それは「生きるための空間」に変わるのです。
■ コンテナ住宅が問い直す“家”の意味
もう一度、聞いてみたいんです。
「あなたにとって、“家”とは何ですか?」
家族?広さ?立地?持ち家?賃貸?
どれも正解。でも、私が思うに、もっと根源的な定義がある。
それは、「安心して、眠れる場所」ではないでしょうか。
そしてその“安心”を支えるものこそ、清潔で使いやすい「水回り」。
だから風呂とトイレがあるかどうかは、その空間が“家”と呼べるかどうかの最低条件になるのです。

■ コンテナハウスは人生の自由度を上げる選択肢
この選択は単なる建築技術の話ではありません。
「どんな場所で、どんな人生を生きたいか?」という哲学の問題です。
土地を小さく抑えて、固定資産に縛られず自由に暮らす
賃貸住宅の枠から離れ、自分仕様にカスタマイズした家に住む
子どもが巣立った後、夫婦だけで小さく美しい家に暮らす
コンテナ住宅には、そうした**“暮らしの自由”の可能性**がぎっしり詰まっているんです。
■ 最後に──風呂とトイレから始まる、新しい住まいのかたち
風呂とトイレの話なんて、最初はどうでもいいと思っていました。
でも、今ならはっきり言えます。
その問いこそ、住まいを真剣に考えている証拠です。
安心して、暮らしたい。
シンプルで、美しく、機能的な家を持ちたい。
そして、自分らしく生きたい。
そんな想いを、私たちは「建築用コンテナ」というかたちで応援します。
✅ 風呂もトイレも、もちろん付けられます。
✅ その上で、もっと自由な生き方ができる家を作れます。
さあ、小さな箱から始まる、あなたの未来へ。

🟦Q&Aまとめ:よくあるご質問
Q1. コンテナハウスに風呂・トイレは付けられるんですか?
→ はい、可能です。建築用新造コンテナを使用すれば、断熱・防水・給排水設備もすべて対応可能です。ホテルライクな設計もできます。
Q2. 法律的に問題はありませんか?
→ 建築確認申請を通した正規の住宅扱いとなります。基礎・構造・施工ともに、通常の住宅と同じ法的条件をクリアします。
Q3. 狭くないですか?
→ 意外と広く感じる設計が可能です。コンパクトながら、快適性を追求したユニット設計やオーダー施工が可能です。
Q4. メンテナンスは大変ですか?
→ 一般住宅と同様のメンテナンスでOKです。水回りは国産ユニットバスや設備機器を使用しているため、メンテもスムーズです。
Q5. 風呂トイレ付きにする意味って?
→ 水回りがあることで、コンテナハウスは“暮らせる家”になります。災害時や地方移住など、住環境を自立させたい方には必須機能です。
記事の監修者

大屋和彦
九州大学 芸術工学部卒 芸術工学士
早稲田大学芸術学校 建築都市設計科中退。
建築コンサルタント、アートディレクター、アーティスト、デザイナー。