建築を読む、時間を感じる。技術と詩の交差点へ

一棟のコンテナハウスの裏には、いつも「人」と「時間」がある
技術、哲学、感性、地域——それぞれの断片を物語としてつなぎ
建築という旅のページをめくるように読める"連載アーカイブ"です

更新日:2026.01.22

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14_CAFE開業コーチ

コンテナカフェは20フィート2台が最強説|1〜2人オペで回る設計と広さの正解

20FEET×2台で完成する。1〜2人オペで回る“カウンターサービス”型CAFE

コンテナカフェは20FEET×2台で完成する。1〜2人オペで回る“カウンターサービス”設計論
20FEETコンテナ2台で客席つき小型カフェを作る設計・動線・設備の考え方を解説。テイクアウト併用のカウンターサービス運用、内装のコツ、将来デュアルコアハイブリッドへ拡張する自由度まで。

20FEETコンテナ2台のCAFEは、なぜ“ちょうどいい”のか

20FEETを1台でカフェにする。あれはあれで美しい。潔い。だが、現場の運用は正直だ。
「客席も欲しい。けど、厨房も削れない。保健所も消防もある。手洗いも動線もいる。で、結局、どこに人が立つの?」1台は“詩”として最高だが、日々の営業は“工学”だ。
そこで2台。たった1台増えるだけで、店は急に「ちゃんと回る形」になる。
広さは倍。されど巨大ではない。1〜2人で回す小型店のまま、客席が店内に生まれる。雨の日でも成立する。暑い日も寒い日も、売上が季節の気分だけに振り回されにくくなる。そして何より、2台は「将来の拡張」を最初から許す。間を開けて、伸ばす。そこにハイブリッドのスパンを挟めば、デュアルコアハイブリッドへ接続できる。寸法調整が効く。店は“成長する前提”で設計できる。これが強い。

カウンターサービス(セルフピックアップ方式=スタバ的なオペレーション)

客はレジで注文・決済し、商品を受け取り、席はセルフで使う。テイクアウト比率も上げやすい。この方式の旨みは、厨房の設計が“動線の短さ”に直結すること。ホールスタッフを増やさずに、売上を伸ばしやすい。コンテナ2台は、このカウンターサービスを「無理なく」「カッコよく」成立させる器になる。

20FEET×2台の基本寸法感と、現実的な席数

20FEETの室内は、断熱や仕上げで少し縮む。数字は現場条件で変わるが、感覚としてはこう。
1台:厨房とカウンターを入れたら、客席は“かなり攻める”
2台:厨房を片側に寄せ、もう片側を客席にできる。さらに“共用の余白”が生まれる
席数の現実解は、店内で10〜16席あたりが気持ちいいゾーン。無理に詰めると、店は回っても、客の心が回らない。椅子の間に挟まって出られない店は、SNSでは映えるが、リピートが削れる。だから、店内は「少なめ、気持ちよめ」。席数を欲張るなら、デッキやテラスで稼ぐ。コンテナカフェは外が似合う。外が売上を助ける。これは真理。

レイアウトは3択で決まる(並列・L字・ずらし)

20FEET×2台の配置は、難しく見えて、実は3パターンで整理できる。

1)並列配置(2台を横に並べる)

いちばん素直。厨房側と客席側を分けやすい。
客から見る“店の顔”を作りやすく、カウンターを長く取れる。テイクアウト窓も作りやすい。
土地が許すなら、この並列は強い。動線が直線で、迷子ゼロ。

2)L字配置(風をつかむ、視線を拾う)

L字は外部席が映える。角が生まれるから、入口が決まり、看板も決まる。
小さな中庭やデッキを抱き込むと、店は一気に“居場所”になる。
海でも森でも街角でも、L字は絵になる。ロケンロールは角に宿る。

3)ずらし配置(奥行きのリズムを作る)

2台を少し前後にずらす。これでテラスの陰影が生まれる。
さらに、将来の拡張(間を開けてスパンを足す)に繋げやすい。
「まずは小さく始めて、強く伸ばす」なら、ずらしは戦略になる。

ずらしながら構成する方法

勝負は“厨房の動線”で決まる。1〜2人オペの設計図

小型カフェの成否は、味の前に、動線で決まる。味は努力で伸びる。でも動線は、箱を作った瞬間に固定される。だから先に、運用から逆算する。

1人オペの日(平日・雨・閑散)

注文・決済
エスプレッソ/ドリップ/簡単なフード
提供
この全部を一人で回す日が必ずある。そこで破綻しない寸法が“正解”だ。
ポイントは「身体の回転半径」を小さくすること。
冷蔵、シンク、作業台、マシン、受け渡し口。これを半歩〜一歩で繋ぐ。
遠いと、時間が削れ、心が削れ、笑顔が削れる。カフェは笑顔が商品だ。だから動線は命綱。

2人オペの日(週末・晴れ・観光ピーク)

2人になった瞬間、店は売れる。でも、ぶつかる店は売れない。
通路幅、すれ違い、扉の開く方向、冷蔵庫の引き出し。ここで渋滞が起きる。
“2人で踊れる通路”を作る。狭い箱の中で、二人が同じ曲を聴けるように。
おすすめは役割を分けること。
1人:レジ+ドリンク(抽出・仕上げ)
1人:フード+洗い物+補充
そして「交差しない配置」にする。交差が必要なら、交差点を一つだけにする。交差点が二つある店は、事故が起きる。

厨房コンテナと客席コンテナの写真

2台だからできる“厨房1台・客席1台”という割り切り

ここが2台の美学。
片側コンテナ:厨房・バックヤード・ストック・スタッフ動線
もう片側コンテナ:客席・物販・小さな展示・ベンチ席
こう割り切ると、設計が速い。運用も強い。

厨房側コンテナの定番構成

カウンターサービスの王道はこうだ。
入口→注文→会計→受け取り→(席へ/テイクアウト)
この一連の流れを、一直線か、ゆるいL字で作る。
厨房は“見せる部分”と“見せない部分”を決める。全部見せると、疲れる。全部隠すと、店が弱い。
おすすめは「抽出と仕上げは見せる。洗いとストックは隠す」。これがちょうどいい。

客席側コンテナは“滞在の質”を作る箱

小型の客席は、数ではなく質で勝つ。
窓際カウンター:一人客が回転する
2人席:会話が生まれる
ベンチ席:家族が座る
物販棚:単価が上がる
ここに“余白”を作ると、店は品格が出る。余白は家賃が高い。でも、リピートも高い。

テイクアウト窓とデッキは、売上のエンジン

コンテナカフェは、外部と相性が良すぎる建築だ。
テイクアウト窓を付けるだけで、注文の入口が二つになる。行列がほどける。待ち時間が短くなる。客の機嫌が上がる。さらにデッキを付けると、席が増えるだけじゃない。“店の風景”が増える。写真が増える。投稿が増える。思い出が増える。これ、広告費ゼロのマーケティング。
はい。今時はSNSでの情報発信は必須です。翻弄される必要はありません。お店のショップカード、店そのもの、何かしらの店のグッズ全てがあなたのメディアです。発信内容を間違えなければ必ず定着して、あなたの店を広めてくれる。

そして本題。2台カフェは“デュアルコアハイブリッド”へ伸びる。ここがロマンで、しかも実務だ。

デュアルコアハイブリッド式構造

2台をピタッとくっつけて終わりにしない。最初から、未来を仕込む。

間を開ける=寸法調整の余白を買う


コンテナは寸法が規格だ。規格は強いが、時に冷たい。
でも、2台の間に“設計できる領域”が生まれると、話が変わる。
たとえば、客席をもう少し広げたい。厨房にもう一つ機器を入れたい。トイレを取りたい。
その時、間のスパンを調整できる構造を持っていれば、店は伸びる。現代コンテナ建築研究所のコンテナはそれができるシステムだ。

デュアルコアハイブリッドの考え方(カフェ向け要約)


コア:強度や設備の要点をまとめる“核”
ハイブリッド:規格寸法の外側に、設計自由度の帯を作る
この帯があると、店は“あとから良くできる”。「最初から完璧」はコストが重い。「最初から拡張前提」は賢い。2台カフェは、その賢さに自然に乗れる。

ハイブリッド拡張を示す図

20FEE_2台_コンテナカフェの開業の現実。コストは“箱”より“中身”で決まる

コンテナカフェの誤解はここにある。「箱が小さい=安い」と思われがちだが、店舗でも住宅でも中身が金を食うのは他の工法でも同じだ。なので、魔法のようにローコストになる方法は存在しない。
厨房機器、給排水、電気容量、換気、空調、断熱、仕上げ、サッシ、サイン、外構、デッキ。箱は入口で、勝負は中身だ。

見積りは項目分けすると迷子にならない


概算の考え方としては、ざっくり以下に分けると判断しやすい。
躯体(コンテナ本体・補強)
仕上げ(内装・外装・断熱・サッシ)
設備(電気・給排水・換気・空調・厨房)
法規(確認・消防・保健所対応・図面)
外構(デッキ・アプローチ・サイン・照明)
搬入据付(運搬・クレーン・基礎)
この分け方をすると、「どこを削ると店が弱るか」「どこを足すと売上が上がるか」が見える。
削っていいのは、見栄。削ったらダメなのは、動線と断熱と換気。ここを削ると、毎日苦しくなる。

20FEE_2台_コンテナカフェでの許可と法規。カフェは“料理”より先に“手続き”が必要


カフェは食品を扱う。つまり保健所が来る。消防も来る。場合によっては建築確認も絡む。
ここで大事なのは、「後から直せばいいや」をやらないこと。手洗いの位置、シンクの数、排水、換気、避難、火気。コンテナは工場で仕上げられるからこそ、先に詰めておくと強い。
現場で直すと時間が溶ける。時間が溶けると、心も溶ける。カフェは心で守る商売だ。

20FEE_2台_コンテナカフェで失敗しやすいポイント

客席を詰めすぎて、回転も滞在も中途半端になる
厨房が長いだけで、動線が短くない(歩かされる店)
2人オペ時にぶつかる(交差点が多すぎる)
テイクアウト窓が“提供動線”と競合して渋滞する
ストックが足りず、営業中に補充地獄になる
換気が弱く、匂いが客席に流れる
断熱が弱く、空調費が店を噛む
入口が分かりにくく、初見客が一瞬ためらう
サインが弱く、通行人が気づかない
デッキが小さすぎて、外席が“ただの飾り”になる

20FEE_2台_コンテナカフェで成功する設計チェックリスト(保存版)


以下を満たしたら、その店は強い。
1人オペでも3分以内に提供が回る(主力商品)
2人オペで交差点が1つ以下
レジ前の行列が客席と干渉しない
テイクアウト導線が別に取れる
ストックとゴミ動線が客導線と分離している
洗い物が“見えない場所”に逃げられる
客席に、居場所の種類が3つ以上ある(窓際・2人席・ベンチ等)
断熱・換気・空調が“季節で死なない”仕様
サインが遠目で読める(店名+何屋かが一撃)
外部席(デッキ等)が売上に貢献する設計

まとめ。20FEET×2台は“小さな完成形”であり、“大きな入口”でもある

1台は尖っていて可能性も大きいが、2台は普通に回る。
2台は、客席を内側に持てる。雨の日も強く営業が成立する。1〜2人のカウンターサービスが現実的になる。
そして何より、2台は伸びる。間を開ければ、寸法調整の自由度が生まれる。そこにハイブリッドの帯を入れれば、デュアルコアハイブリッドへ接続できる。
店は、最初から“成長する建築”になれる。
小さく始めて、強く伸ばす。カフェも人生も、だいたいそれが勝つ。それができる建築は「コンテナのデュアルコアハイブリッド」だけだ。

無料配布(チェックリスト_PDF)上手に使ってね

もしこの記事を読んで「やるか…」となった人へ。次の一歩を軽くするために、無料チェックリストを用意しています。
・20FEET×2台 コンテナカフェ 現地調査チェックリスト
・1〜2人オペ 動線設計チェックリスト
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要約
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コンテナ2台のCAFEの要点
・20FEETコンテナ2台は、客席つき小型カフェを1〜2人で回す最小の完成形。
・運用はカウンターサービス(セルフピックアップ方式)が相性が良い。
・レイアウトは並列・L字・ずらしの3パターンで整理できる。
・成否は厨房動線で決まり、1人オペでも破綻しない寸法が正解。
・2人オペでは交差点を1つ以下に抑えると渋滞しない。
・テイクアウト窓とデッキは売上のエンジンになりやすい。
・2台の間を調整できると将来拡張が可能で、デュアルコアハイブリッドに接続しやすい。
・コストは箱より中身(設備・換気・断熱・外構)で決まる。
・許認可は後戻りが高いので、手洗い・換気・動線は先に詰める。

コンテナ2台_cafeの厳選Q&A(FAQ)


Q1:20FEETコンテナ2台だと、店内席は何席くらい作れますか?
A:店内は10〜16席あたりが気持ちいい現実解です。席数を増やしたい場合は、デッキやテラスで外部席を足すほうが満足度と回転が両立しやすいです。


Q2:1人オペでも回せますか?
A:回せます。ただし前提は「カウンターサービス(セルフピックアップ)」で、厨房動線が半歩〜一歩で繋がっていること。動線が長いと1人オペは急に地獄になります。


Q3:スタバみたいな運用は、どう呼ぶのが正しい?
A:カウンターサービス、もしくはセルフピックアップ方式がいちばん通じます。注文・決済→受け取り→席はセルフ、が基本形です。


Q4:2台の間を開けるメリットは何ですか?
A:寸法調整の余白が買えます。将来、客席を広げたい、トイレを追加したい、厨房機器を増やしたい、などの変更に対応しやすくなり、デュアルコアハイブリッド的な拡張に繋がります。


Q5:テイクアウト窓は付けたほうがいい?
A:相性が良いです。注文導線が分散し、店内の渋滞が減り、待ち時間が短くなります。外部席や歩行者動線がある立地ほど効きます。


Q6:コンテナカフェで失敗が多いのはどこ?
A:客席を詰めすぎる、厨房動線が長い、2人オペでぶつかる、換気と断熱を削って季節で苦しくなる、の4つが頻出です。


Q7:費用を抑えるならどこを削るべき?
A:削っていいのは見栄(過剰な装飾や無駄な面積)。削ると毎日苦しくなるのは、動線・断熱・換気・電気容量です。ここは“運営コスト”として返ってきます。

・20FT×2台カフェの「動線チェックリスト(無料)」が欲しい方は、末尾にPDFがあります。計画初期の詰まりポイントを先回りで潰せます。
・敷地条件(用途地域、防火、電気容量、水道)まで含めて成立性を見たい方は、計画概要を添えて相談ください。最短ルートだけ提案します。