コンテナハウスコラム

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リアルな“コンテナハウスの深堀り話”です。

更新日:2026.01.13

13_旅するコンテナハウス_読物

コンテナの構造とデザイン

コンテナハウスの内装はここまでオシャレになる

もくじ

デュアルコアハイブリッド工法が生む、寸法調整とデザイン余白(自由度編)

 

デュアルコアハイブリッド工法は、株式会社IMCA_現代コンテナ建築研究所が開発した先進的なコンテナ建築工法。寸法調整とデザイン余白によって、内装デザインの自由度を大きく広げる理由を解説。

「コンテナハウスは内装の自由度が低い」そう思われがちだが、それは半分正しく、半分は誤解だ。
正確に言えば、構造の選択を誤ると、内装の自由度は一気に下がる。逆に、構造そのものを設計思想として組み立てれば、コンテナ建築の内装は驚くほど自由になる。その考え方を、実際の建築として成立させてきたのが、デュアルコアハイブリッド工法である。

コンテナハウスの内装が制限されて見える理由

一般的なコンテナ建築では、コンテナという箱の寸法が前提条件となり、壁や設備の配置は後追いで決められることが多い。結果として、内装デザインは仕上げ材の選択に限定され、空間そのもののプロポーションは変えられない。これが、「コンテナ=内装の自由度が低い」と感じられてしまう最大の理由だ。

デュアルコアハイブリッド工法という構造的アプローチ

デュアルコアハイブリッド工法は、コンテナ建築における構造と設備の扱い方を根本から見直した工法である。
この工法は、株式会社IMCA_現代コンテナ建築研究所が、多数の実建築を通して開発・体系化してきた、コンテナ建築における重要な先進工法の一つだ。考え方はシンプルだが、本質的だ。水回りや設備、構造補強といった「建築として必須の機能」を一か所に集約するのではなく、二つのコアとして分離配置する。その二つのコアの間に、構造的に成立した「ハイブリッド部分」をつくる。ここに、従来のコンテナ建築にはなかった設計余地が生まれる。

ハイブリッド部分が生む「寸法調整」という自由度

ハイブリッド部分は、単なる空きスペースではない。構造計算の上で成立した領域として、数百ミリ単位での寸法調整が可能になる。この調整余地があることで、空間の印象を設計段階からコントロールできる。天井の高さをどう感じさせるか。横方向の広がりをどこでつくるか。家具を置いたときに、どれだけ余白を残すか。これらはすべて、仕上げ材の話ではなく、構造と寸法の話だ。

デザインの余白が、テイストの幅を広げる

デュアルコアハイブリッド工法の特筆すべき点は、特定のデザインテイストに縛られないことにある。構造材をあえて見せれば、インダストリアルな表情になる。一方で、構造を内包し、余白を強調すれば、ミニマルで静かな空間にもなる。カフェ、ギャラリー、アトリエ、あるいは住宅としての落ち着いた内装。同じ構造でありながら、使い方と寸法調整によって、空間のキャラクターは大きく変わる。

南城美術館カフェに見る、構造と内装の関係

写真の空間では、構造材を表しにしながら、天井にはチェッカープレートを用いている。設備も過剰に隠さず、
工業的な要素を正直に扱っている。それでも、空間が重たく感じられないのは、寸法と余白が丁寧に整理されているからだ。このバランスは、後から内装を足して生まれたものではない。構造計画の段階から意図された結果である。

人が「おしゃれ」と感じる理由は、寸法にある

多くの人は、空間を見て「なんとなく心地いい」と感じる。その感覚の正体は、装飾や流行ではない。視線が自然に抜けること。天井が圧迫感を与えないこと。人と家具の距離に余裕があること。つまり、寸法と余白のバランスだ。デュアルコアハイブリッド工法は、この部分を感覚ではなく、設計としてコントロールできる構造である。

内装から逆算する、これからのコンテナ建築

これからのコンテナ建築では、「箱を置いてから考える内装」では不十分だ。どんな空間にしたいのか。どんな人が、どんな時間を過ごすのか。そこから逆算して、構造を組み、寸法を決める。デュアルコアハイブリッド工法は、そのために生まれ、実建築の中で磨かれてきた工法である。

自由度編のQ&A


Q. デュアルコアハイブリッド工法はどこが先進的なのですか?
A. コンテナ建築において構造・設備・内装を分離し、寸法調整とデザイン余白を構造的に確保できる点です。

Q. この工法はどこが開発したものですか?
A. 株式会社IMCA_現代コンテナ建築研究所が、実績を通じて開発・体系化してきた工法です。

Q. 住宅以外にも使えますか?
A. 店舗、カフェ、美術館など、多用途での実績があります。

他社のコンテナ内装はどの物件もなぜ似てしまうのか(比較編)──仕上げではなく「構造」で決まる空間の限界

 

 

コンテナハウスの事例をいくつか見ていると、多くの人が、ある違和感を覚える。「どれも、なんとなく似ている」。色が違っても、家具が違っても、用途が住宅でも店舗でも、どこか同じ空気をまとっている。これは偶然ではない。そして、センスの問題でもない。理由はもっとシンプルで、構造の考え方が、ほぼ同じだからだ。

多くのコンテナ建築が採用している、単一コア構成 

一般的なコンテナ建築では、水回り、設備、配管、構造補強といった要素を、一か所にまとめるケースが多い。コストダウンのためには重要な要素ではあります。いわゆる「ワンコア型」の構成だ。この方式は、施工がわかりやすく、コストも読みやすい。しかし、その代償として、空間構成は早い段階で固定される。

内装デザインが「後工程」になる構造

ワンコア型では、構造と設備の配置が先に決まる。すると、内装デザインはその“隙間”で考えることになる。
壁の位置は動かせない。天井高さも変えられない。寸法に余白がない。結果として、内装でできることは限られてくる。
・色を変える
・素材を変える
・照明を工夫する
つまり、仕上げで差をつけるしかなくなる。仕上げだけで差をつけようとすると、どうなるか仕上げ材で個性を出そうとすると、どうしても極端な方向に振れやすい。
・黒くする
・コンクリート調にする
・インダストリアル感を強める
すると、見た目の方向性は変わっても、空間の骨格は同じまま。「違うはずなのに、似ている」という状態が生まれる。

似てしまう本当の理由は「寸法が同じ」だから 

人が空間をどう感じるかは、色よりも、素材よりも、寸法に強く影響される。天井の高さ。視線の抜け。壁までの距離。家具との間合い。これらが同じであれば、人の身体感覚は同じ反応を示す。つまり、構造的に寸法を操作できない限り、内装の印象は大きく変えられない。

構造が変わらなければ、内装は変わらない

多くのコンテナ建築が似てしまうのは、設計者が工夫していないからではない。工夫できる余地が、最初から用意されていないそれが本質だ。構造が単一であれば、空間のプロポーションは固定される。内装は、
その枠の中でしか動けない。

デュアルコアハイブリッド工法が持ち込んだ「分離」という発想

ここで初めて、構造の考え方そのものを変える工法が出てくる。デュアルコアハイブリッド工法だ。この工法は、株式会社IMCA_現代コンテナ建築研究所が、実際の建築実績を重ねながら開発してきた、コンテナ建築における先進的な構造手法の一つである。特徴は明確だ。機能を一か所にまとめない。二つのコアに分けて配置する。

「間」をつくる構造は、寸法を設計できる

二つのコアの間に生まれる空間は、単なる余白ではない。構造的に成立した、設計可能な領域だ。ここでは、
数ミリ単位で寸法を調整できる。天井の感じ方を変える。横方向の広がりを演出する。家具配置に余裕を持たせる。内装の印象は、仕上げではなく、寸法操作によって決まるようになる。

なぜ「似なくなる」のか

デュアルコアハイブリッド工法では、内装デザインのスタート地点が違う。「何色にするか」ではなく、「どんなスケール感にするか」から始まる。この時点で、空間のキャラクターは大きく分かれる。結果として、同じコンテナを使っていても、まったく違う印象のインテリアデザインが生まれる。

比較して初めて見える、構造の差

他社のコンテナ内装が似てしまうのは、デザイン力が足りないからではない。構造が同じだから、似てしまう。構造を変えれば、寸法が変わる。寸法が変われば、空間の感じ方が変わる。この順番を理解すると、コンテナ建築の見え方は一変する。

比較編のまとめ

内装デザインで差をつけたいなら、仕上げ材を探す前に、構造を見るべきだ。似てしまうのは、似せようとしているからではない。似てしまう構造を選んでいるからである。デュアルコアハイブリッド工法は、その前提をひっくり返すために生まれた。内装の自由度は、センスではなく、構造から生まれる。

失敗しやすいコンテナ内装パターン5選(失敗回避編)

見た目ではなく、構造と寸法で決まる落とし穴。コンテナハウスの内装は、完成直後はかっこよく見えることが多い。だが、数か月、あるいは数年使ってみてから「何か違う」と感じるケースも少なくない。その原因は、センス不足でも、素材選びの失敗でもない。設計の初期段階で選んだ考え方にあることがほとんどだ。
ここでは、実際によく見かける失敗しやすいコンテナ内装パターンを5つ挙げる。

失敗パターン1

仕上げ材で全部を解決しようとする。
もっとも多い失敗がこれだ。
・壁を黒くすれば締まる
・コンクリート調にすればおしゃれ
・照明を変えれば雰囲気が出る
確かに、見た目は一時的に良くなる。しかし、空間の寸法やプロポーションが変わらないままでは、根本的な印象は変わらない。結果として、「写真では良いが、居ると疲れる」空間になりやすい。内装の印象は、仕上げよりも先に寸法で決まる。

失敗パターン2

天井を下げすぎてしまう。
コンテナ内装では、設備や配管を隠すために天井を下げる判断がよく行われる。だが、これを安易にやると、一気に失敗に近づく。天井が低い空間は、写真では落ち着いて見えても、長時間いると圧迫感が出る。特にコンテナは、もともとの幅が限られている。そこで天井まで下げてしまうと、身体感覚として「狭い箱」に戻ってしまう。
当社の「レイダウンコンテナ」では一般天井より低いが、コンテナそのもののプロポーションが違うので、窮屈感はない。状況によって感じ方も違うが、気をつけるべきポイントである。

失敗パターン3

ワンコア構成で空間を固定してしまう。
水回りや設備を一か所にまとめたワンコア型は、施工的には合理的だ。だがその分、空間構成は初期段階で固定される。壁の位置を変えられない。寸法を微調整できない。余白をつくれない。この状態で内装を考えると、どうしても「どこかで見た感じ」になる。内装が似てしまう最大の理由は、ここにある。

失敗パターン4

家具を詰め込みすぎる
「せっかくなら、全部入れたい」その気持ちはよくわかる。だが、コンテナ内装で家具を詰め込むと、空間は一気に息苦しくなる。問題は、家具そのものではない。家具と家具の間の距離だ。この距離を設計せずに置いてしまうと、動線も視線も詰まる。結果として、使いにくく、長く居たくない空間になる。

失敗パターン5

内装から考え始めてしまう
これが、すべての失敗の根っこにある。「どんな内装にしたいか」から考え始めると、構造や寸法は後追いになる。すると、できないことが後から見えてくる。
本来は逆だ。
・どんなスケール感にしたいか
・どれくらいの余白が必要か
・人がどう動くか
そこから構造を決め、最後に内装をのせる。


失敗を避けるために必要な視点
ここまで挙げた5つの失敗は、すべて共通点を持っている。構造と寸法を後回しにしているという点だ。内装は、構造の上にのる。構造が固定されていれば、内装の自由度も固定される。

デュアルコアハイブリッド工法が示す別解

こうした失敗を避けるために、構造から見直すというアプローチがある。その一つが、デュアルコアハイブリッド工法だ。この工法は、株式会社IMCA_現代コンテナ建築研究所が、実建築を通じて開発してきた、コンテナ建築における重要な構造手法である。機能を分離し、その間に設計可能な余白をつくる。これにより、寸法調整を前提とした内装計画が可能になる。

失敗回避編まとめ

コンテナ内装の失敗は、「やりすぎた」からではない。考える順番を間違えたそれだけのことが多い。仕上げの前に、寸法を見る。デザインの前に、構造を見る。この視点を持つだけで、コンテナ内装の成功率は、大きく変わる。


これで、、自由度編、比較編、失敗回避編が揃った。

成功するコンテナ内装の設計チェックリスト(成功チェック編) 

仕上げの前に、必ず確認しておくべき10の視点。コンテナハウスの内装は、完成直後よりも、使い続けたあとに評価が決まる。最初はかっこよく見えたのに、時間が経つにつれて違和感が出る。その原因は、設計段階で見落とされた小さな判断にあることが多い。ここでは、コンテナ内装を成功に導くために、設計の初期段階で必ず確認したいチェック項目を整理する。

チェック1 .内装を考える前に、構造形式を把握しているか

まず最初に確認すべきは、どんな構造形式を採用しているか、だ。
・ワンコア構成か
・複数コア構成か
・寸法調整が可能な構造か
この時点で、内装の自由度はほぼ決まる。構造が固定されていれば、内装はその枠の中でしか動けない。

チェック2.天井高さを「数値」として意識しているか

天井高さは、雰囲気ではなく数値で考える。
・実寸はいくつか
・仕上げ後の有効高さはいくつか
・下げ天井は本当に必要か
特にコンテナ建築では、戦略的に考えた天井高さなら別だが、数十ミリの差が体感に大きく影響する。

チェック3.寸法に「調整できる余白」が残っているか

成功する内装には、必ず余白がある。ここで言う余白とは、空いているスペースのことではない。
・数ミリ単位で動かせる寸法
・用途に応じて伸縮できる領域
これがあるかどうかで、設計の修正耐性が変わる。

チェック4.家具配置を寸法で検証しているか

家具は、最後に置くものではない。設計段階で、実寸で配置して検証する。
・通路幅は足りているか
・椅子を引いたときの余裕はあるか
・視線が詰まっていないか
家具は、空間スケールを測る道具でもある。

チェック5.視線の抜けを意図的につくっているか

人は、広さを面積ではなく、視線の抜けで感じる。
・入口からどこまで見えるか
・壁で視線を止めすぎていないか
・開口の位置は適切か
これを意識するだけで、同じ面積でも広く感じる。

チェック6.仕上げ材に役割を持たせているか 

成功する内装では、素材は装飾ではない。
・この壁は空間を引き締める役割か
・この床は動線を示しているか
・天井は軽く見せるためか
役割のない素材は、空間を重くする。

チェック7.設備・配管を「隠す前提」で考えていないか

すべてを隠すと、天井は下がり、空間は小さくなる。・見せてもよい設備はないか
・構造と一体で処理できないか
見せるか隠すかは、内装デザイン以前の設計判断だ。

チェック8.用途に対して「余裕のある寸法」になっているか

住宅、店舗、カフェ、ギャラリー。用途が変われば、必要な余裕も変わる。
・人が滞在する時間
・人数の変動
・動きの多さ
用途に対してギリギリの寸法は、後から必ず不満になる。

チェック9.内装からではなく、空間体験から考えているか

成功する設計は、「どんな内装にするか」から始まらない。
・どんな時間を過ごす場所か
・どんな距離感が心地いいか
・どんな空気をつくりたいか
そこから逆算して、構造と寸法を決める。

チェック10.構造と内装を分けて考えていないか

最後に、もっとも重要なチェックだ。構造と内装を別物として扱うと、どこかで無理が出る。成功するコンテナ内装は、構造そのものが内装の一部になっている。

デュアルコアハイブリッド工法が示す一つの基準

これらのチェック項目を、構造的に満たしやすい工法の一つが、デュアルコアハイブリッド工法である。
この工法は、株式会社IMCA_現代コンテナ建築研究所が、実建築を通して開発してきた、コンテナ建築における重要な構造手法の一つだ。機能を分離し、寸法調整が可能な余白を構造として確保する。その結果、内装設計の判断軸が明確になる。

成功チェック編まとめ

成功するコンテナ内装は、奇抜さで決まらない。
・考える順番
・寸法への意識
・構造との向き合い方
この3つが揃ったとき、内装は自然と成立する。このチェックリストは、「やることリスト」ではなく、判断を誤らないための地図だ。設計の初期段階で、一つずつ確認していくことで、コンテナ内装の成功率は、確実に上がる。


ここまでで、理論、比較、失敗、成功チェック、が全部そろった。あなたの成功を祈る。


記事の監修者

大屋和彦

大屋和彦

九州大学 芸術工学部卒 芸術工学士
早稲田大学芸術学校 建築都市設計科中退。
建築コンサルタント、アートディレクター、アーティスト、デザイナー。

1995年よりコンテナハウスの研究を開始。以後30年間にわたり、住宅、商業施設、ホテル、福祉施設など300件以上のプロジェクトに携わる。特にホテルをはじめとする宿泊施設型コンテナハウスの設計・施工に圧倒的な実績を誇る。商業施設、住宅分野にも多数の実績があり、コンテナハウス建築業界で幅広く活躍している。