コンテナハウスコラム
四半世紀以上にわたり現場に立ち
研究し続けてきた私たちだから語れる
リアルな“コンテナハウスの深堀り話”です。
更新日:2025.12.31
01_はじめてのコンテナ
09_実例メンテナンス運用保守
2拠点生活
古宇利島の高台で2拠点生活|FAT BOYとスパルタン
もくじ
2拠点生活という少し先の未来
古宇利島の高台で、コンテナハウスに暮らす
都会で暮らしていると、時間が硬くなる。
予定と通知と締切が、呼吸の幅を決めてしまう。
やることは終わるのに、心の輪郭が薄くなっていく感覚だけが残る。
古宇利島の高台に上がると、それがほどける。
海が全面にドンと来るわけじゃない。
少しだけ、東シナ海が見える。
その「少し」がいい。見えすぎないから、気持ちが落ち着く。
青はちゃんとあるのに、暮らしはちゃんと地に足がつく。
だから私は、2拠点生活を贅沢とは呼ばない。
これは、暮らしの解像度を上げるための装置だ。
人生の画質を、もう一段だけ上げるための、小さな改造。
そしてその装置に、コンテナハウスほど似合う器はないと思っている。
鉄の箱は、南国の白い光を受けると、驚くほど素直な顔をするからだ。

週の半分だけ未来へ引っ越す
古宇利島の風は、都市の時間をほどく。
週の半分だけ、少し先の未来へ引っ越す。
鉄の箱に、光と風と、必要なだけの静けさを入れて。
2拠点生活は逃げじゃない。
自分の人生を、もう一段うまく設計する方法だ。
未来は派手じゃなくていい。
必要なのは、到着して5分で暮らしが起動すること。
それだけで日々は、ちゃんと前へ進む。
高台の2拠点生活は、到着5分で決まる
2拠点生活は夢がある。
でも現実の敵は地味だ。荷物、準備、片付け。
ここが重いと、未来はすぐに過去になる。
だから最初に設計するのは、間取りより「起動」。
鍵を開けた瞬間に
照明、空調、給湯が迷わず動く。
カバンを置いたら、冷えた水が飲める。
汗が引く速度が、その日の幸福度を決める。南国はそういうところがある。
持ち物は増やさない。
むしろ減らす。
2拠点の勝利条件は物量じゃなく、移動の軽さだ。
デッキが主役になる。海を少しだけ望む角度で
古宇利島の高台は、風と光がごちそうだ。
だから床面積を追うより、外部の居場所を一つ増やしたほうが暮らしは太くなる。
デッキに出ると、東シナ海が少しだけ見える。
全面オーシャンビューじゃない。
でも、その控えめさがいい。
景色は主張しすぎない方が、日常になる。
朝は白い光が鋭い。
夕方は影が甘い。
夜は風の音が音楽になる。
外が気持ちいい場所では、外に居場所を作ることが、いちばん賢い設計になる。
ここで突然、古き良き時代が入ってくる
そしてリビングには、FAT BOYを鎮座させる。
なかなか普通の暮らしではできないことだと思う。
部屋の中心に「愛でるための存在」を置くなんて、効率だけを基準にすると、だいたい真っ先に削られるからだ。
でも、愛でるものがあるのはいいことだ。
役に立つかどうかじゃない。
そこにあるだけで、気持ちが整うもの。
目に入るたびに、少しだけ嬉しくなるもの。
FAT BOYは家具というより、居場所の芯になる。
その周りに光が落ちて、風が抜けて、会話が生まれる。
リビングが「部屋」から「場」になる。
横にはスパルタン30FEETが控えている。
あのフォルムには、時代の気配がある。
合理性だけじゃない、旅と冒険の匂い。
古宇利島の風に当たると、スパルタンは静かに生き物みたいな顔をする。
未来の箱と、昔のロマン。
新しいのに、懐かしい。
この混ざり方が、2拠点生活の本質に似ている気がする。
都会の自分を捨てるのではなく、別の自分を迎えに行く。
そのための舞台装置が、ここにある。
合理性だけで生きていたら、人生はたぶん、ちょっと痩せる。
光は採る。視線は逃がす
古宇利島の光は強い。
だから採光はケチらないほうがいい。
ただし、開けばいいわけじゃない。落ち着きが消えると滞在が疲れる。
大開口は、東シナ海が抜ける方向へ。
風景を「切り取る」サイズで十分だ。
反対側はルーバーや植栽、高窓で視線だけ切る。
明るさは落とさない。気配だけ整える。
この設計が決まると、ガラスは怖くなくなる。
ガラスは見せるためじゃなく、呼吸を整えるためのものになる。
南国仕様は、塩害・湿気・台風を最初から前提にする
潮、湿気、紫外線、台風。
南国の空気はやわらかいけれど、建物にとっては手強い。
あとから対処すると高くつく。だから最初から前提にする。
・防錆は過剰なくらいで、ちょうどいい
・通気層と下回りの納まりで寿命が決まる
・金物やビス、配管ルートは塩と水に強い選択をする
・強風時の負圧、飛来物、雨の吹き込みを想定して開口を守る
未来っぽい暮らしは、こういう地味な部分に支えられている。
ここが真面目に作られている家は、音が静かになる。
安心が、ちゃんと残る。
断熱は滞在型に最適化して、除湿で仕上げる
毎日住まないからこそ、断熱の考え方が変わる。
重要なのは立ち上がりの速さ、結露しないこと、湿気を残さないこと。
・空調の効きが早い
・防露ラインが切れていない
・除湿が効いて空気が軽い
これが揃うと、2拠点生活は途切れない。
都市に戻る日、名残惜しさが残るくらいがちょうどいい。
収納より、置きっぱなし設計
2拠点生活を壊すのは、荷物の移動だ。
だから二重化できるものは二重化して置く。
衣類、寝具、調理道具。
持っていかなくても揃っている。
その状態を作ると、2拠点生活は現実になる。
収納を増やすより、移動を減らす。
継続って、だいたいこういう小さな勝ちで決まる。

古宇利島の高台で計画するチェック
・眺望方向に開口を寄せるが、開けすぎない
・西日対策は必須(庇、ルーバー、植栽)
・風の強さを読み、デッキに風の逃げ道と風除けを作る
・斜面と雨の水の逃げ(排水計画)が暮らしの快適を決める
・搬入(トレーラー動線、クレーン据付)の現地確認
・塩害仕様は海までの距離より、風の通り道で決める
最後に
古宇利島の高台で、東シナ海を少しだけ望む。
そこに未来の箱があり、リビングにはFAT BOY。
横にはスパルタン30FEETがいて、古き良き時代の気配をまとっている。
未来は、最新であることじゃない。
必要なものだけが残っていること。
その空間に、呼吸が戻ってくること。
週の半分だけ、未来へ引っ越す。
場所は古宇利島の高台。
鉄の箱に入れるのは、モノじゃなくて静けさだ。
Tが醸す、古き良き時代のしつらえも紹介
FAQ(5)
Q1.古宇利島の高台でコンテナハウスは向いていますか
A1.向いています。風と眺望を設計に取り込みやすく、短期滞在でも起動が速いからです。
Q2.海が「少し見える」程度でも価値はありますか
A2.あります。見えすぎない眺望は落ち着きを作り、日常として続きやすいです。
Q3.2拠点生活で最初に決めるべきことは何ですか
A3.間取りより先に、到着して5分で生活が起動する導線と設備計画です。
Q4.南国で重要な仕様は何ですか
A4.塩害・湿気・紫外線・台風対策です。防錆、通気、下回り、開口の守りが鍵になります。
Q5.デッキは必要ですか
A5.南国では特に有効です。床面積以上に居場所が増え、暮らしが太くなります。
古宇利島の高台。
東シナ海が「全部見える」わけじゃない。
少しだけ、青が抜ける。
その“少し”が、日常になるにはちょうどいい。
週の半分だけ、未来へ引っ越す。
と言っても、派手な未来じゃない。
鍵を開けた瞬間に、照明と空調と給湯が迷わず起動して、カバンを置いたら冷えた水が飲める。
この「到着5分で生活が始まる」感じが、2拠点生活を続けるコツだと思う。
そして、ここは南国。
外が主役になる季節が長い。
だから床面積を追うより、デッキで居場所を増やす。
朝は白い光の中でコーヒー。
夕方は影が甘くなって、風が少しやさしくなる。
夜は灯りを少しだけにして、星に寄せる。
それだけで、暮らしの解像度が上がる。
室内は、ミニマルな箱にする。
余計なものを置かない。配線も見せない。
未来感はガジェットじゃなくて、余白から生まれるから。
でも、ひとつだけ“鎮座”させる。
リビングの中心に、FAT BOY。
普通の暮らしではなかなかできない。
効率だけを基準にしたら、真っ先に削られる類の存在だ。
けれど、愛でるものがあるのはいいことだと思う。
役に立つかどうかじゃない。
そこにあるだけで、気持ちが整うもの。
目に入るたび、少しだけ嬉しくなるもの。
その周りに光が落ちて、風が抜けて、会話が生まれる。
リビングが「部屋」から「場」になる。
横にはスパルタン30FEET。
古き良き時代の気配が、南国の光の中で静かに立つ。
未来の箱の隣に、昔のロマン。
新しいのに、懐かしい。
この混ざり方が、2拠点生活の本質に似ている気がする。
南国はやさしい顔をして、建物には厳しい。
塩害、湿気、紫外線、台風。
だから最初から前提にして、通気と防錆と除湿をきっちりやる。
地味だけど、ここができている家は音が静かになる。
安心が、ちゃんと残る。
合理性だけで生きていたら、人生はたぶん、ちょっと痩せる。
週の半分だけでもいい。呼吸が戻る場所を、ひとつ持つ。
古宇利島の風は、都市の時間をほどく。
週の半分だけ、少し先の未来へ引っ越す。
鉄の箱に、光と風と、必要なだけの静けさを入れて。
2拠点生活は、逃げじゃない。
自分の人生を、もう一段うまく設計する方法だ。
記事の監修者
大屋和彦
九州大学 芸術工学部卒 芸術工学士
早稲田大学芸術学校 建築都市設計科中退。
建築コンサルタント、アートディレクター、アーティスト、デザイナー。
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