コンテナハウスコラム

四半世紀以上にわたり現場に立ち
研究し続けてきた私たちだから語れる
リアルな“コンテナハウスの深堀り話”です。

更新日:2025.06.30

コンテナハウスの知識(中級)

コンテナハウスの豆知識

コンテナハウスは地震に強いのですか?

答え:はい、非常に強い構造を備えています。

当社で提供しているコンテナハウスは、単なる輸送用コンテナではなく、建築用に新造された重量鉄骨製の「ラーメン構造」コンテナです。この「ラーメン構造」とは、柱と梁を剛接合(がっちり固定)することによって、『全体で力を分散して受け止める“耐震性の高い構造形式”』のことを指します。

構造的特徴:「ラーメン構造(剛構造)」とは?

ラーメン構造は、日本の中高層ビルや学校、庁舎などにも広く採用されている基本構造です。
この構造の大きな特徴は以下の通り:

  • 柱と梁が“剛接合”されており、一体化して揺れに耐える構造
  • 地震力を点でなく“面”で受けるため、応力が分散される
  • 揺れても形状が保たれやすく、倒壊リスクが非常に低い

当社のコンテナは、このラーメン構造をベースにした「建築物」として製造されているため、いわゆる「コンテナ風建築」とは一線を画します。

材質:建築基準を満たした「重量鉄骨」造

当社が使用する構造用鋼材は、**建築基準法に準拠した重量鉄骨(SS400など)**です。
この種の鉄骨は:

  • 高い引張強度・降伏点を持ち
  • 溶接・接合部の強度も厳格に管理され
  • 建築確認申請において構造計算の対象となります

つまり「一部の軽量鉄骨パネルハウス」や「中古輸送コンテナ改造品」とは、根本的に耐震性能が異なります。

耐震基準:震度7にも耐えうる水準とは?

日本の建築基準法では、「震度6強~7クラスの地震に対しても倒壊しない構造」であることが要求されています。
当社のコンテナハウスは:

  • 設計段階から構造計算がなされ
  • 鉄骨造(S造)としての基準を満たしており
  • 震度7強レベルにも十分耐えうる構造体です

実際、地震時に壊れるのは建物の「構造体」よりも「接合部」や「地盤」です。
当社では、基礎との接合・アンカーボルト設置・支持地盤の確認も含めて、構造全体としての“地震対応力”を設計に組み込んでいます。

結論:当社のコンテナハウスは、ラーメン構造×重量鉄骨造による高耐震建築であり、震度7強レベルの大地震に対しても、理論的・構造的に十分な強度を備えています。

「構造体」として見たとき、それは単なるコンテナではなく、『安心を支える小さな要塞』なのです。

記事の監修者

大屋和彦

大屋和彦

九州大学 芸術工学部卒 芸術工学士
早稲田大学芸術学校 建築都市設計科中退。
建築コンサルタント、アートディレクター、アーティスト、デザイナー。

1995年よりコンテナハウスの研究を開始。以後30年間にわたり、住宅、商業施設、ホテル、福祉施設など300件以上のプロジェクトに携わる。特にホテルをはじめとする宿泊施設型コンテナハウスの設計・施工に圧倒的な実績を誇る。商業施設、住宅分野にも多数の実績があり、コンテナハウス建築業界で幅広く活躍している。