コンテナハウスコラム

四半世紀以上にわたり現場に立ち
研究し続けてきた私たちだから語れる
リアルな“コンテナハウスの深堀り話”です。

更新日:2025.02.03

12_MIKAN(未完)HOUSE

14_タイニーハウス

MIKAN(未完)HOUSEとは?_建築確認付きセルフビルドコンテナハウスという新しい選択肢


MIKAN(未完)HOUSEとはなにか
IMCA_現代コンテナ建築研究所の商品ラインナップの中で、ひんぱんに登場する名前。
それが「MIKAN(未完)HOUSE」です。
MIKAN(未完)HOUSEは、建築確認申請付きの建築用新造コンテナをベースにした
「セルフビルド前提のコンテナハウス・システム」です。
あらかじめIMCA_現代コンテナ建築研究所が、設計図、建築確認申請、建築用新造コンテナの構造体
までをきちんと整えたうえで、仕上げの一部をあえて「未完」にした状態でお渡しします。
その「未完成」の部分を、クライアント自身がセルフビルドで仕上げる。
だから MIKAN(未完)HOUSE という名前なのです。
コストを抑えながら、自分の手で家を完成させる楽しさも味わえる。
建設プロセスそのものをライフイベントとして楽しんでいただくための、
IMCAオリジナルのコンテナハウス商品です。

どこまでセルフビルドできるのか 

MIKAN(未完)HOUSEのいちばんの特徴は、「どこまでを自分でやるか」をクライアントが選べることです。
たとえば、こんな分担が考えられます。電気が得意な方→ 電気配線や機器設置は自分でやる
DIYが好きな方→ 内装下地の上に、仕上げの壁・床・天井を自分で仕上げる
土木系の仕事に慣れている方→ 基礎工事や土工事を自分で担当する
セルフビルドの範囲は、相談しながら決めていきます。
「やりたいところは自分で」「難しいところはIMCAで」という切り分けができるのが、MIKAN(未完)HOUSEの本質です。

IMCAが担当する「プロでないと難しい部分」

一方で、多くの人にとって対応が難しい領域があります。たとえば次のような部分です。
建築確認申請を出す
建築基準法に沿った設計図を書く
建築用新造コンテナの構造体をつくる
構造安全性・耐久性を担保するディテール設計を行う。これらは法律や構造の知識が必要で、
「ちょっとDIYが得意」レベルで対応できるものではありません。
MIKAN(未完)HOUSEでは、こうした専門性の高い領域はすべてIMCAが担当します。
計画のヒアリング
規格プランのアレンジ
建築確認申請
建築用新造コンテナの製造と出荷
ここまでをしっかりプロが固めてから、
「さあ、ここから先はあなたの出番です」という形でバトンを渡すイメージです。

たいていの方が楽しんでいるのは「内装工事」 

実際のところ、セルフビルドで一番人気なのは「内装工事」です。
仕上げ材を自分で選びたい、壁の色や床材にこだわりたい、
家族や友人と一緒に作業して思い出を残したい
そんな思いから、内装の仕上げを自分でやる方が圧倒的多数です。
他にも、ユニットバスをネットで購入して自分で組み立てた
システムキッチンをWEB注文して、設置まで自分で行ったといったケースもあります。
ただしここで大事なルールがあります。

「材料支給で取り付けだけお願い」は基本的にNGです 

よくあるのが、「設備機器は自分でネット購入するので、取り付けだけ工事会社にお願いしたい」というパターンです。
MIKAN(未完)HOUSEでは、この「材料支給・取り付けだけお願い」は基本的に受けていません。
理由はシンプルで、竣工後の責任があいまいになるためです。
誰がどこまで責任を負うのか、万一不具合が出たとき、どこに原因があるのか
ここが曖昧になると、クライアントにとっても不幸です。
MIKAN(未完)HOUSEでは、
自分でやるところは、材料手配から施工まで自分で完結する。IMCAに任せるところは、設計から施工までIMCAが責任を持つという「線引き」をはっきりさせることで、楽しいセルフビルドと、安心できる建物の両立をめざしています。

なぜコンテナとセルフビルドは相性がいいのか 

一般的な建物で、構造体そのものを素人がつくるのは現実的ではありません。
構造計算、鉄骨・木構造のディテール、建築基準法への適合など、
プロの領域が多すぎるからです。
一方で、建築用新造コンテナという「完成された構造体」があらかじめ用意されている
その上に、内装や設備を「足していく」イメージでつくっていける
というコンテナ建築は、セルフビルドとの相性が非常によいジャンルです。
コンテナハウスという世界だったからこそ、
「ここまではプロに任せて、ここから先は自分で」という考え方が、
自然に受け入れられているのかもしれません。

一言でまとめると、MIKAN(未完)HOUSEとは

あらためて整理すると、MIKAN(未完)HOUSEとは次のような商品です。
設計図がある「規格品ベース」のコンテナハウスである
建築確認申請付きの建築用新造コンテナを使う
セルフビルドしたい部分(内装・設備・基礎など)を自分で指定できる
建材や設備は、自分で注文して自分で施工してもよい
自分で工事した分だけ、コストを抑えつつ「つくる楽しさ」を味わえる
つまり、
建築確認付きの建築用コンテナを使った
「自作キットに近いコンテナハウスシステム」と言えます。

こんな人にこそ、MIKAN(未完)HOUSEをすすめたい

コンテナハウスが好きで、自分の手で一部を仕上げてみたい人
予算を抑えつつも、法規対応や構造はきちんとしたい人
家族や友人と一緒に、建設プロセスそのものを楽しみたい人
DIY経験があり、もう一歩踏み込んだ「自分の家づくり」に挑戦したい人
IMCAでは、今後「SELF BUILDの技術講座」のようなイベントも構想中です。
コンテナだからこそできるセルフビルドの世界を、
安全に、楽しく、長く付き合えるかたちで広げていきたいと考えています。

オンライン相談も可能です

MIKAN(未完)HOUSEに興味を持っていただいた方には、
ZOOMでのオンライン相談もご用意しています。
どこまで自分でやれるのか
どこから先をIMCAに任せるべきか
予算感とスケジュール感はどうなるか
あなたのわがままを整理しながら、
プロの目線でリアルな計画に落とし込んでいきます。
まずはお問い合わせ・無料相談から、気軽に一歩踏み出してみてください。

MIKAN(未完)HOUSE Q&A(丁寧版)

MIKAN(未完)HOUSEは、まだ世の中にほとんどない仕組みなので、Q&Aは少し細かめに用意しておきます。


Q1. MIKAN(未完)HOUSEとは、簡単に言うとどんな商品ですか?
A1. MIKAN(未完)HOUSEは、建築確認付きの建築用新造コンテナを使った「セルフビルド対応コンテナハウス」です。IMCAが設計・建築確認・構造体までを担当し、内装や設備などの一部をクライアント自身がセルフビルドできる仕組みになっています。


Q2. どこまで自分で工事してもいいのですか?
A2. 電気配線・内装仕上げ・一部の設備工事・基礎工事など、クライアントの得意分野や経験に応じてセルフビルド範囲を決められます。ただし、安全性や法規に関わる部分については、事前の相談のうえでIMCA側が担当することをおすすめしています。


Q3. 建築確認申請は自分で出さないといけませんか?
A3. 建築確認申請はIMCA側で対応します。MIKAN(未完)HOUSEは「建築確認申請付き」の商品であり、建築基準法に適合した図面・構造計画を含めてパッケージでご提供します。


Q4. DIY初心者でもMIKAN(未完)HOUSEは可能でしょうか?
A4. 完全な初心者の方でも、セルフビルド範囲を小さく設定すれば問題ありません。たとえば「塗装だけ自分でやる」「デッキの組み立てだけ挑戦する」といった分担も可能です。無理のない範囲で、できるところだけを楽しむという使い方をおすすめしています。


Q5. 自分でネット購入したユニットバスやキッチンの「取り付けだけ」をお願いできますか?
A5. 原則として、材料支給で取り付けだけをお引き受けする形はお断りしています。竣工後の責任範囲があいまいになってしまうためです。自分でやる場合は、材料手配から施工までを含めて「セルフビルド」として完結していただく形となります。


Q6. 自分で施工した部分に不具合が出た場合、IMCAの保証はどうなりますか?
A6. IMCAが施工していない部分については、原則として保証の対象外となります。そのため、セルフビルド範囲を決める際には、「自分で責任を持てる範囲かどうか」を一緒に確認しながら決めていきます。構造や防水など、致命的な不具合につながりやすい部分は、IMCAが施工することをおすすめしています。


Q7. MIKAN(未完)HOUSEと、フルパッケージのコンテナハウスとの違いは何ですか?
A7. フルパッケージのコンテナハウスは、設計から仕上げまで基本的にすべてプロ側で施工する商品です。一方、MIKAN(未完)HOUSEは、構造・法規などの「骨格部分」をIMCAが担当し、仕上げの一部をクライアント自身がセルフビルドする前提の商品です。その分、自分で工事した範囲については、コストダウンと「つくる楽しさ」の両方が得られます。


Q8. どのくらいコストダウンが期待できますか?
A8. セルフビルドの範囲や仕様によって大きく変わりますが、「内装仕上げ一式」や「外部デッキ」などを自分で施工することで、一般的な工事費の一部を抑えられます。個別の計画ごとに、フル施工ケースとの比較をお出しすることも可能です。


Q9. 工事のやり方を教えてもらうような講座やサポートはありますか?
A9. IMCAでは、今後「SELF BUILDの技術講座」やセルフビルド向けのワークショップ開催を検討しています。現時点でも、Zoom相談や図面説明を通じて、作業の進め方や注意点についてアドバイスすることは可能です。


Q10. MIKAN(未完)HOUSEを検討したい場合、まず何から始めればいいですか?
A10. まずは、計画地やおおよそのご予算、やってみたいセルフビルドの範囲を整理したうえで、オンライン相談やお問い合わせフォームからご連絡ください。ヒアリングを通じて、MIKAN(未完)HOUSEが適しているかどうか、どんなプランが考えられるかを一緒に組み立てていきます。

 事例紹介

記事の監修者

大屋和彦

大屋和彦

九州大学 芸術工学部卒 芸術工学士
早稲田大学芸術学校 建築都市設計科中退。
建築コンサルタント、アートディレクター、アーティスト、デザイナー。

1995年よりコンテナハウスの研究を開始。以後30年間にわたり、住宅、商業施設、ホテル、福祉施設など300件以上のプロジェクトに携わる。特にホテルをはじめとする宿泊施設型コンテナハウスの設計・施工に圧倒的な実績を誇る。商業施設、住宅分野にも多数の実績があり、コンテナハウス建築業界で幅広く活躍している。