建築を読む、時間を感じる。技術と詩の交差点へ

一棟のコンテナハウスの裏には、いつも「人」と「時間」がある
技術、哲学、感性、地域——それぞれの断片を物語としてつなぎ
建築という旅のページをめくるように読める"連載アーカイブ"です

更新日:2025.10.27

11_面積とコンテナ数

10㎡の共鳴事業戦略_スウィーツ店舗

【事業企画書】 スウィーツ店舗戦略
10㎡の共鳴戦略──「共鳴商法」× コンテナスイーツ店出店モデル
副題:主役の横で輝くという戦術。スイーツは“波”に乗れ。


▶︎1章 事業コンセプト:巨大集客の“うねり”を活かせ
ビジネスにおいて、すべての波を自分で起こす必要はない。
時に最も賢い戦術とは、「すでにある波に、タイミングよく乗ること」だ。
大型ショッピングモール、ホームセンター、地域密着スーパー、観光地に近い道の駅――。
そこには毎日、膨大な人流が流れている。だが、それを生かしきれていない“隙間”がある。
我々が目指すのは、その隙間にピタリとフィットする「10㎡のスイーツ装置」=「Container Sweets Stand」である。
コンテナは、停まることができる。
スイーツは、香りで人を止めることができる。
そして、“未container”という美学は、記憶に残る余韻を生む。
我々が仕掛けるのは、集客施設の“エッジ”に咲く、小さな花のようなスイーツ店だ。


▶︎2章 「共鳴商法」とは?──波のすぐ横で光る商売
定義:
巨大な集客装置(スーパー/モール/商業施設)の近隣や周辺敷地に店舗を構え、その集客の“余波”を最大限に取り込むビジネスモデル。
メリット:
広告コストがかからない(施設が勝手に集客してくれる)
人流が安定している(天気・曜日による変動が読める)
「ついで買い」需要に刺さる商品がヒットしやすい
出店判断が早い(立地選定が明快)


▶︎3章 コンテナだからできる、「エッジに刺さる」出店術
大型施設の正面玄関や共用スペースには、当然「本体テナント」が優先される。
だが、意外と盲点なのが以下のような“余白スペース”である:
駐車場の奥
サービス通路沿い
モールと住宅街の導線上
フードコートから少し離れた屋外
商業施設の別館横
こうした場所は、建築制限や導線上の問題で常設店舗が出しにくい一方、10㎡の可搬型コンテナであれば「置けてしまう」。
しかも、仮設扱いも可能でスピーディな設置が可能。
つまり、コンテナスイーツ店は“主役の横で光る準主役”にぴったりのサイズと機動性を持っているのだ。


▶︎4章 商品の正解は“単品特化”──香りと記憶で勝つ
「選ばせない=選ばれる」
これはコバンザメ商法における鉄則である。
なぜなら、来訪者のメイン目的はあくまでスーパー/モールであり、「スイーツを買いに来た」わけではないからだ。
だからこそ、“迷わせてはいけない”。むしろ一瞬の香り、ひと目のパッケージで**「もう一品」を買ってもらう**。
商品コンセプト例:
MIKANプリン: とろけるような口当たりと、曖昧な未完熟感を演出した濃厚プリン。瓶ごと冷やして渡すスタイル。
MIKANスコーン: 粉の粗さと香りにこだわった「焼きたてスコーン」を目の前で紙包みに。
MIKANカヌレ: 1日100個限定。外カリ中モチ系の癖になる食感。


▶︎5章 導入モデルと採算例
導入モデルA:駐車場フィット型
項目
内容
設置場所
ショッピングセンター横・出入口脇スペース(約15㎡)
コンテナ
10㎡以下・新造建築用コンテナ(内外装済)
設備
給排水・電源引込・製造+販売一体型
スタッフ
1名常駐+サポート1名(ピーク時)
商品数
単品+季節限定1種
収益モデル例:
| 日販 | 約8〜10万円 |
| 月販 | 240〜300万円 |
| 粗利率 | 約65% |
| 月純益(人件費・材料費後) | 60〜80万円 |
| 初期投資 | 約700〜900万円 |


▶︎6章 成功条件と展望戦略
成功条件:
商品の単品絞り込みとブランディング
コンテナ外観の「引きの強さ」(写真に撮りたくなる外観)
出店場所オーナーとの柔軟な交渉術
季節ごとの商品変化で“通いたくなる”演出
展望戦略:
地域ごとの大型施設周辺にドミナント展開
催事・ポップアップ展開による「ファン層作り」
店舗ごとに“未完番号”をふってストーリー展開(MIKAN No.3、No.7など)


【まとめ】
「主役になるな、主役の横で一番になる」
この発想こそ、コンテナ×スイーツという異形の組み合わせにこそふさわしい。
私たちは、あえて余白に店を置き、あえて完成されすぎたブランドとは距離を置く。
未完だから、誰かの中で完成してもらえる。共鳴商法である。
さあ、街のどこかに、“甘い余白”を描きに行こう。
MIKAN SWEETS STAND、始動。