コンテナハウスコラム
四半世紀以上にわたり現場に立ち
研究し続けてきた私たちだから語れる
リアルな“コンテナハウスの深堀り話”です。
更新日:2025.07.09
コンテナハウスのデザイン
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おしゃれなコンテナハウスの価格帯とは?建築費・デザイン・実例を解説
もくじ
コンテナハウスとは?|おしゃれな住空間として注目される理由
「コンテナ」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるでしょう?
巨大な貨物船に積まれている、あの鉄の箱?無機質で、少しゴツくて、ちょっと錆びてる…?
いいえ、私たちが提案するのは、『建築用に新たに製造された“新造コンテナ”』を使った、まったく新しい空間のカタチです。輸送のためではなく、暮らしのために生まれた“この箱”は、あなたの人生を包み込む未来の住処になり得るのです。コンテナを発明したマルコム・マクリーンも考えなかっただろうが、今や「コンテナ」は建築の一つの素材となったのだ。
建築用新造コンテナは、建築基準法に適合する構造体として設計され、寸法精度も高く、仕上げの自由度も抜群。私たちがつくるコンテナハウスは、いわゆる中古の輸送用ISOコンテナを再利用したものではありません。サビや凹みと格闘する代わりに、「初期状態から美しく」設計された空間を提供しています。

【建築用新造コンテナのスタイリッシュな外観】
おしゃれなコンテナハウスの価格相場|建築費のリアル
さて、気になるのはお値段の話です。
コンテナハウスと聞くと「なんだか安そう」「プレハブと似た感じ?」と誤解されがちですが、おしゃれで快適な建築用新造コンテナハウスの価格は、まさに“中身次第”。
安さだけを追求するのなら他の選択肢もありますが、「美しさ・機能性・拡張性」の三拍子をそろえるなら、一般建築と同じように設計と施工が必要ですし、省けるものは特にありません。
■ 参考価格(建築用新造コンテナ使用・設計・断熱・内装込み)
タイプ | 概算価格(税込) | 特徴 |
20ft 単棟(約6.1m) | 約400万~800万円 | 書斎、アトリエ、ミニカフェなどに最適 |
40ft 単棟(約12.2m) | 約1000万~2000万円 | 1人暮らし向け住宅や事務所にも |
2~3連棟タイプ | 約1,500万~4,500万円 | ファミリー住宅・別荘・店舗兼住宅にも対応 |

20FEET_単体のテイクアウトカフェ

40FEET単体の「別荘建築」

20FEET_40FEET_+ハイブリッド工法の組み合わせコンテナハウス
ここで注意したいのは、「安さだけを追うと落とし穴にハマる」ということ。
たとえば、よくある中古海上コンテナの場合、解体・補修・構造補強に思わぬコストがかかり、結果的に新造より高くつくこともしばしば。そして何よりも…見た目がちょっと残念です。輸送用コンテナとして「役目を終えた_中古コンテナがこれから先いつまで「居住用」として使えるのでしょうね。あなたの夢のマイホーム、『“元海運業者の道具箱”』にしたくはないですよね。
価格を左右する6つの要素
① コンテナの種類(当然、それはもう新造建築用コンテナ一択しかありません)
中古か新造か?という問いには明快に「新造一択!」とお答えします。
理由は、構造的信頼性・寸法の正確性・外観の美しさ・法的対応力・製造のプロセスのトレーサビリティ(どこでどう作られてきたのかという履歴がたどれるかどうか_がトレーサビリティです)…。
要するに、プロの仕事ができるのは新造だけです。
② 設置場所と基礎工事
傾斜地や軟弱地盤、あるいは農地転用が必要な場合、基礎工事や申請費用が大きく膨らむことがあります。購入前にしっかりと調査いたしましょう。地盤の話も大きいですが、インフラ(上下水道、電気、etc.)の状態などもしっかり確認です。特に水道系は大きく金額がかかる時があります。すんなり持って行けるかどうかも輸送コストに響きます。
例:「山のてっぺんで瞑想小屋を建てたいんです」というご相談も、過去にはありました。
(※対応しましたが、輸送コストで瞑想に入る前に魂が浮きそうでした)
③ 配置と接続数
ユニットの数が増えれば工事は複雑に。
40ft×2連棟の直列型ならシンプルに思えますが、コンテナの屋根の断面は「うすーくカマボコ型」です。2つを並べると「雨」は合わせ目に集まります。どうやって雨仕舞いしますか?。L字・コの字・中庭を囲む配置などになると、さらに接続工事や雨仕舞に技術が必要になります。
④ 断熱・内装・開口部のグレード
断熱材ひとつ取っても、グラスウール・硬質ウレタン・真空パネルなど種類も性能も価格もピンキリ。開口部を大きくとる場合は、構造計算や補強が必要です。その「仕口」でコストが変わって参ります。
⑤ 設備(キッチン・浴室・電気・給排水)
コンパクトながら機能をすべて収める設計は、意外と設計力が問われます。どちらにしろ、「小さくても欲しいものは欲しい」ので、設備系でコンテナハウスが安くなる例はないおです。むしろ嬉しくて豪華設備を詰め込みすぎて“コンテナの中の宇宙船”みたいになった例も…。

⑥ 外構や周辺工事
玄関アプローチ、ウッドデッキ、外構照明なども価格に影響します。
特に「おしゃれな見た目」はこの部分でグッと仕上がるので、最初から予算を確保しておくのが得策です。まあ、基本「おしゃれ」にはそれなりのコストは発生します。いや、基本は美人ですから、何をしなくてもまずはオシャレ度はクリアしていますが、「演出系」を凝りだすと普通建築と同じように価格は跳ね上がります。
おしゃれなコンテナハウス実例紹介
■ Case.1 ウッドデッキと風の家(20ft×2連棟+HiBrid構造_20FEETコンテナ4.5台分の面積・約3,900万円)

開放感のあるL字レイアウトと、デッキに向けて開いた全面窓が特徴。建築用新造コンテナに黒の塗装を施し、内装はナチュラルウッドで統一。え、これコンテナなの?」と来客が言う率、100%。設計者冥利に尽きます。
■ Case.2 暮らしとカフェの2面性(LAYDOWN型 3連棟・約2,500万円)


商業施設の事例
カフェとして使う右側部分と、左に物販空間を配置。回遊動線の工夫で、狭さを感じさせない造りに。デザインテーマは「地域産品とコーヒー」。
■ Case.3 海のそばのプール付き隠れ家別荘(20ft×2連棟+HiBrid工法・約4.200万円)



建築用新造コンテナだからこそ実現できたプール付きデッキと高断熱仕様。真冬の雪・真夏の熱射にも耐える快適空間です。「週末は海で読書してます」なんて言ってみたい人、どうぞこちらへ。
建築用新造コンテナを選ぶ理由
中古輸送コンテナの再利用を選ばない理由、それは『妥協しない美しさと機能性』『コンプライアンス』を守るため。
■ 建築用新造コンテナ vs. 中古輸送用コンテナ(比較)
項目 | 新造コンテナ | 中古コンテナ |
強度 | ◎ 計算された構造 | △ 要補強 |
寸法精度 | ◎ ミリ単位で正確 | △ 個体差あり |
外観 | ◎ 美しい仕上げ可能 | × サビ・傷あり |
法適合性 | ◎ 建築確認OK | × 法的リスクあり |

新造コンテナの製造(「コンテナの設計からして作っています)
あなたの夢の空間に、「サビ取りから始まる物語」はいりませんよね。
よくある質問Q&A
Q. コンテナって夏暑くて冬寒いんじゃないの?
A. それは輸送用コンテナあるあるです。当社の建築用新造コンテナは、断熱材・換気・サッシもすべて住宅仕様。快適性は一般住宅と遜色ありません。
Q. 移動できますか?
A. 物理的には可能ですが、基礎・インフラ設備の関係上「動かせるようには設計しない」のが現実的です。可搬躯体として作る時は最初からそのスペックで作ります。
Q. 住めるまでどれくらいかかりますか?
A. 設計・申請を含めて約4〜6ヶ月程度。在来工法よりも早く、工場製作分は天候に左右されません。
まとめ|“価格以上の価値”を、コンテナで
おしゃれなだけでなく、性能も、耐久性も、将来の拡張性も備えた住まい。それが、私たちの提供する「建築用新造コンテナハウス」です。価格はあくまでスタートライン。真の価値は、その『中に何を詰めるか』で決まります。
よくある「中古コンテナの話」で、住まいが300万円でできるよ。なんて話は、ありません。夢のような価格は「すべきものをし、備えるものを備える」と、そうはいかず普通に建築の価格になっていきます。
住まいを、店舗を、場所そのものを、「自分の手で選び、デザインし、想いを込めて建てる」――そんな生き方を叶えるための最小で最大の器。それが、この“おしゃれな鉄の箱”なのです。


記事の監修者

大屋和彦
九州大学 芸術工学部卒 芸術工学士
早稲田大学芸術学校 建築都市設計科中退。
建築コンサルタント、アートディレクター、アーティスト、デザイナー。