コンテナハウスコラム

四半世紀以上にわたり現場に立ち
研究し続けてきた私たちだから語れる
リアルな“コンテナハウスの深堀り話”です。

更新日:2025.08.17

コンテナCAFE開業Coach50連載

コーチング_第1章_基礎編_010_銀行定期積立預金を始めてみよう

コンテナハウスでカフェをつくる夢と、最初の一歩

カフェを開きたい──この言葉の響きは甘美です。
ラテの泡のきめ細やかさに人生をかける人、ハンドドリップの一滴に魂を燃やす人。
そんなあなたの夢が、いま「コンテナハウス」という新しい器に宿ろうとしています。
しかし、夢はタダではありません。建築資金、内装費、設備投資、そして運転資金。
特に「コンテナハウスカフェ」という響きはワクワク感に満ちていますが、鉄骨の箱に魔法を吹き込むには、現実的な資金が必要なのです。
では、どうするか。──答えは意外とシンプル。
「銀行定期積立預金を始めよう」。
これです。

積立は“カフェ開業の筋トレ” 

カフェ開業に必要なのはお金だけではありません。
もっと大事なのは「計画性」。
積立を始めることは、まるで筋トレのようなもの。毎月の自動引き落としがスクワットの一回一回であり、通帳に増えていく数字が筋肉の膨らみです。
積立ができる人は、つまり「お金の扱い方を計画できる人」。
カフェを続けられるかどうかは、焙煎技術やメニュー開発力よりも、この「計画性」が土台になります。
SEOワードを交えるなら──
「カフェ開業資金をどう貯めるか」
「コンテナハウスカフェに必要な自己資金」
「積立預金から始めるカフェの夢」
──こういうフレーズで検索する人は、きっとあなたの仲間です。

銀行が見ているのは“熱意”じゃなく“残高”

ここで現実的な話をしましょう。
銀行はあなたの夢に共感してくれません。
「カフェをやりたいんです!死ぬほど好きなんです!」と涙を流しても、融資担当者の心は動かない。
銀行が見るのはただ一つ。返済能力です。
返せるのか、返せないのか。これしかない。
だからこそ、積立の通帳は強い証拠になります。
「この人は毎月5万円、3年間コツコツ積み立てた」
この事実こそが、何百ページの事業計画書より雄弁なのです。
ある焼鳥チェーンでは、フランチャイズ契約金100万円を“通帳の積立”で用意した人にしか契約を認めなかったという逸話があります。
一発で100万円入金した人は不合格。
毎月少しずつ貯めて100万円にした人だけが合格。
なぜ?──それは「継続できる人=経営を続けられる人」だからです。

開業後に襲ってくる“お金の洪水” 

「開業したらお金は勝手に回るでしょ?」──甘い。
実際には、想像以上の速さでお金が出ていきます。
椅子を一脚買い足したら予算オーバー、看板をちょっと凝ったら赤字、エアコンが壊れたら即死。
開業資金は「多すぎて困ることはない」。
むしろ「足りなくて困る」のがほぼ100%。
だから理想を言えば──
開業資金はすべて自己資金で用意する
銀行からは同額を借りる
借りた分は計画的に返す
自己資金は“いざという時”のために温存する
これが王道です。

コンテナハウスカフェと相性抜群な“積立” 

コンテナハウスカフェは、通常の建築よりも初期投資を抑えられる可能性があります。
しかし「抑えられる」といっても、ゼロにはならない。
例えば──
コンテナ本体費用:150〜300万円/1基
内装工事費用:200〜500万円
設備(厨房、給排水、電気):200〜400万円
外構・デッキ・駐車場整備:100〜300万円
ざっと見積もっても、最低でも700万〜1500万円は必要。
ここで積立預金の出番です。
毎月10万円積み立てれば、1年で120万円、5年で600万円。
これを頭金にして融資を受ければ、コンテナカフェの扉は現実に開きます。

「積立ができる人」=「開業に向いている人」 

子供のころからお年玉を計画的に使えた人。
毎月少しずつでも貯金できた人。
そういう人は、開業にも向いています。
逆に「当たればラッキー!宝くじ的思考」で突っ込む人は、かなりの確率で失敗します。
なぜなら、カフェ経営は「毎日の積立」と同じ。
コツコツと積み上げ、継続し、計画的に進めることこそが成功の鍵だからです。
7. 今日のコーチングポイント
積立預金は、資金の準備だけでなく“計画性”を鍛える行為。
銀行は熱意を評価しない。通帳の残高こそ最大の説得力。
開業資金は「多すぎるくらいでちょうどいい」。
宝くじ思考ではなく、筋トレ思考で。
あなたのカフェの未来は、最初の一枚の通帳から始まります。
「カフェ開業を考えたその日から積立スタート」──それが鉄則です。

記事の監修者

大屋和彦

大屋和彦

九州大学 芸術工学部卒 芸術工学士
早稲田大学芸術学校 建築都市設計科中退。
建築コンサルタント、アートディレクター、アーティスト、デザイナー。

1995年よりコンテナハウスの研究を開始。以後30年間にわたり、住宅、商業施設、ホテル、福祉施設など300件以上のプロジェクトに携わる。特にホテルをはじめとする宿泊施設型コンテナハウスの設計・施工に圧倒的な実績を誇る。商業施設、住宅分野にも多数の実績があり、コンテナハウス建築業界で幅広く活躍している。